二子玉川駅周辺 ―近代と自然が共存するセレブの街―

二子玉川駅周辺 ―近代と自然が共存するセレブの街―

東京都
2020.10.13 2022.09.10
FUTAKO-TAMAGAWA

日本人なら誰もが知る日本の首都は東京ですが、中でも特に高級住宅街が集まる世田谷区にあって、代表的な繁華街として知られるのが、ここでご紹介する二子玉川駅です。
世田谷の一等地に位置し、通称ニコタマの愛称で親しまれる他、多くの芸能人や富裕層の方が住む街としても知られ、日本を代表するハイソな街のひとつとなっています。そんな二子玉川駅周辺はやはりハイソなショッピングセンターに、近年再開発によって生まれた大型複合施設。はたまた人情味溢れる商店街に、憩いの場もあるなど、バラエティーに富んだ街でした。
今回街の様子とともに、少しその歴史にも触れてみたいと思います。

駅周辺は都会と自然が融合した近未来の街並み

二子玉川駅の改札

二子玉川駅は都境を流れる多摩川のほとりに位置し、郊外への玄関口としての役割も持ちます。ホームが多摩川の橋梁上にあることから、改札口は渋谷寄りの1箇所のみとなります。溝の口駅から並走する田園都市線、大井町線は当駅より分岐し、田園都市線は渋谷方面。大井町線は自由が丘や大井町方面へと向かいます。

二子玉川駅東口

改札を出ると出口は左右の二手に分かれ、右手側の東口へ出ると、ビルに挟まれた広場と通路がお目見え。駅直結の複合型施設・二子玉川ライズのモダンな雰囲気は、まさに近未来のような空間を作り出します。広場をさらに奥へ進むと、今度は左右二手にバスロータリーが広がります。各路線ごとに多摩堤通りや国道246号線へ進む路線と、目黒通りへ進む路線に分かれているようです。

二子玉川駅西口

一方の改札左手の西口は、国道246号線の旧道に面しており、ここから西の方角へ進むとすぐに二子橋に差し掛かり、その向こうは神奈川県川崎市となります。このエリアは高度経済成長期末期あたりから栄えている地域で、玉川高島屋S.Cを中心に、商店街なども栄えています。

セレブの街を支える巨大商業施設と商店街

二子玉川ライズと玉川髙島屋S.C
二子玉川ライズ(上段)と玉川髙島屋S.C(下段)

リッチでおしゃれな街のイメージが強い二子玉川といえば、なんと言っても駅前で勢力を二分する大型商業施設・二子玉川ライズ玉川高島屋S.Cでしょう。
二子玉川ライズは駅ナカを含む5つの商業エリアと、その他オフィスビルやタワーマンションも含む複合施設。楽天本社もこの中に含まれます。開発コンセプトとして「都市から自然へ」というテーマがあり、都市の中にありながらも自然との共生に取り組んでいます。
一方の玉川高島屋S.Cは西口一帯を占めるショッピングセンターで、この二子玉川をセレブの集まるハイソな街として、ブランド化をしてきたであろう街の立役者でもあります。駅にほど近い本館や南館を中心に9つの建物から構成され、全体を通して緑化が行われているのが特徴です。
コンセプトが違いながらも、双方で緑化が行われているという共通項があることから、二子玉川全体が自然を取り入れた街づくりが行われていることがわかります。

二子玉川商店街

街を創っているのは2つの巨大商業施設か!?と思ったら、それはもちろん大間違い。高島屋のちょうど裏手にあたるエリアは二子玉川商店街として、多くの商店が賑わう下町風情のあるエリア。ここは古くより大山道として栄えた由緒ある場所でもあります。

多摩川沿いに蘇りし自然の風景

二子玉川公園

今でこそ高層ビルやマンションがそびえ立つ二子玉川ですが、多摩川のほとりの街ということで、水遊びや憩いも楽しめるスポットも充実。
ライズの遊歩道をひたすら奥へ進んでいくと、やがて大きな公園へと差し掛かりますが、こちらがライズの末端エリアとなる世田谷区立二子玉川公園。幼児用の遊具広場などはもちろん、園内には日本庭園もあり、その傍らには旧清水家住宅書院という世田谷区登録有形文化財にも登録されている旧家屋も。また園内にはなんとスターバックスのお店もあり、ハイソサエティタウン・二子玉川らしい憩いの場も提供されています。恐るべし・・・

兵庫島公園

二子橋の真下にあたる多摩川の河川敷にあるのが兵庫島公園。多摩川と支流である野川が合流するあたりに造られた公園で、中央にある大きな池が特徴的です。ちょうど夏に訪れた際には、川遊びを楽しむ光景も見られました。二子橋と並行して多摩川を渡る東急がロケーションをさらに盛り上げてくれる、絶好の憩いのスポットです。

路面電車が走り、遊園地だった 二子玉川の過去

花みず木通り

さてここでほんの少しばかり、二子玉川の歴史について触れてみたいと思います。
ご存じの方はもう50歳を超えた方がほとんどかと思いますが、今では関東を代表する混雑路線として名高い東急田園都市線。ここ二子玉川を経由して渋谷へと向かう大動脈路線も、かつては路面電車だったのはご存知でしょうか?当時は東急玉川線として運行、国道246号線の路面上を走行し、渋谷へと至りました。その支線として、当駅から砧本村駅を結んでいた砧線という路線があったのですが、その廃線跡を利用して造られたのが、髙島屋の裏にある花みず木通りです。通り沿いにはかつての様子をイメージしたイラストのタイルや、駅跡地の石碑が置かれており、路面電車が走っていた事実を今に残しています。
なお砧線は後にバス路線へと引き継がれ、二子玉川駅〜砧本村間を結ぶ東急バス「玉06」系統として運行しています。

二子玉川ライズ一帯

また今ではショッピングセンターや高層ビルが並ぶ都会へと変貌した二子玉川ですが、かつてここには遊園地があったのはご存知でしょうか??こちらは現在30代の方ならギリギリわかるのではないでしょうか。
現在ライズがある一帯はおよそ20年前まで、二子玉川タイムスパークというテーマパークがあり、その中にナムコ・ワンダーエッグという遊園地や、動物ふれあい型テーマパークのはしりとされるいぬたま・ねこたまが営業していました。これらの施設の跡地にライズが建設されたのですが、さらにその前、昭和の時代にも二子玉川園という遊園地が営業していました。こちらは閉園が1985年ともう知る人も少なくなってきていますが、かつては行楽地として賑わったエデンの園だったのです。また二子玉川駅も、なんと2000年までは二子玉川園駅という名称で営業しており、昭和生まれの方々には未だにこちらのほうが馴染みが深い方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな歴史についても、もっと深く突き詰めたいと思いますので、また別の機会にお話させていただきます。

まとめ

近代型複合施設とショッピングセンターが立ち並ぶ、リッチでおしゃれでハイソなセレブタウン二子玉川。
筆者は幼少期より溝の口界隈で育ったということもあり、二子玉川も馴染みの深い街のひとつでした。玉川高島屋は衰えることも知らずに50年以上に渡り営業していますし、何より驚いたのはなんと言ってもライズの辺りでしょう。もう私の知っている二子玉川はそこにはありませんでした(笑)
この辺りを離れてもう久しいので、まだこの街のすべてを知るまでには至っていませんが、やはり大きな施設や街の歴史は深堀りしていくとどんどん楽しくなっていきます。まだまだ勉強が足りないので、もっともっとこの街に学ばせていただきます。

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