2023年に開業する相鉄・東急直通線 利便性はどう変わるのか

2023年に開業する相鉄・東急直通線 利便性はどう変わるのか

コラム
2022.02.10 2022.09.10
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横浜と海老名・湘南台を結ぶ神奈川県の大手私鉄・相模鉄道(相鉄)。2019年に相鉄新横浜線開通と羽沢横浜国大駅の開業。同駅からJRとの相互直通運転開始で、ついに念願だった東京都心直結を果たし話題となりました。それから3年。今度は羽沢横浜国大駅〜新横浜駅へ延伸し、東急へ直通する相鉄・東急直通線を開通するべく現在工事が進められています。ここ最近ニュースでも取り上げられ、その概要が明るみになってきました。1年後の開業時には一体どんな未来が待ち受けているのか。あくまで推測となりますが、今後の展開を考察していきたいと思います。

開業は2023年3月 前代未聞6社局の直通運転

相鉄・東急直通線路線図

まずはこの相鉄・東急直通線の概要をご説明しましょう。冒頭でも述べましたが、相鉄は2019年11月30日相鉄新横浜線の西谷駅〜羽沢横浜国大駅の2.1kmを開通。同日よりJR線との直通運転を開始し、最長で埼京線の川越駅まで運転されています。それから遅れること4年の2023年3月、今度は相鉄新横浜線の羽沢横浜国大駅〜新横浜駅と、新横浜駅〜日吉駅間の東急新横浜線が開通することが決まりました。日吉駅では東横線、目黒線と接続しますが、相鉄直通線は両線との直通運転も行われ、東横線と既に直通している東京メトロ副都心線東武東上線。目黒線と直通の都営三田線東京メトロ南北線埼玉高速鉄道線などとも直通。なんと事業者数6者局・10路線での直通運転という前代未聞の乗り入れが実現することとなりそうです。ただし副都心線を介して東横線とも直通運転をしている、西武鉄道に関しては相鉄との直通運転をしない方針を公表しています。

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開業前に展開される各社の動き

開業を1年後に控えた相鉄、東急は然ることながら、直通先の路線でもその準備が着々と行われています。

相鉄20000系
相鉄20000系

まず今回の直通の目玉となる相鉄側では、東急直通用に導入された20000系の増備を進めています。20000系は10両編成を基本とし、東横線への直通用になる予定。さらに8両仕様の21000系が2021年より導入が開始され、こちらは目黒線への直通用となるようです。

東急3020系
東急3020系

東急ではおもに目黒線を中心とした改良が進められ、現在6両で運行されている同線は8両編成となります。そのため目黒線を含む直通先の各線(都営三田線、東京メトロ南北線、埼玉高速鉄道線)では8両化に対応したホームの改良工事が行われており、2022年4月より順次8両での営業が開始される予定です。
また今回の直通に際し、東急側でも目黒線の新型車両・3020系が導入されています。

都営三田線6500形
東京都交通局6500形

新型車両導入は直通先でも行われており、その中の都営三田線では6500形を導入。当初より8両で納入され、2022年5月より営業運転が開始される予定です。

複雑な運転系統をどう捌くのか

ここで東急・相鉄各線の運転系統を整理してみましょう。

東急東横線・目黒線 路線系統
東急東横線・目黒線の路線系統

東急側は既に渋谷、目黒を拠点に、都心部へは地下鉄との相互直通運転を行っています。
東横線は横浜方では横浜高速鉄道みなとみらい線と。渋谷からは東京メトロ副都心線と直通し、その先の直通先である西武有楽町線・池袋線(小竹向原駅)、東武東上線(和光市駅)にも直通するため、5路線にも及ぶ広範囲のネットワークを形成。さらに言うと副都心線は和光市〜小竹向原間で有楽町線と線路共用をしているので、現時点でも複雑な路線網となっていることがわかります。
一方の目黒線は目黒から先は東京メトロ南北線、都営三田線へと直通しますが、2駅目の白金高輪駅にて両線が分岐。三田線は末端の西高島平まで。南北線は終点の赤羽岩淵駅から先、埼玉高速鉄道線と直通し浦和美園駅まで直通。こちらも4路線と決して少なくはない路線網となっています。

2線の路線網を合わせると9路線(有楽町線を合わせると10路線)と既に複雑なものになっていることがおわかりになるでしょうか。

相鉄路線系統

方や相鉄側のほうはどうでしょう。前述の通りJR線との直通運転が開始されていることで都心直結が実現していますが、東急と比べるとシンプルに見えます。が・・・実はJR・相鉄直通線は1本の路線ではありません。ざっくりではありますが紐解いて行くと、羽沢横浜国大駅〜武蔵小杉駅手前までは東海道貨物線。武蔵小杉駅〜新宿駅間は湘南新宿ラインと線路を共用しています。また一部の便で赤羽駅や大宮駅、川越駅まで行くものは埼京線と直通するので、こちらも既に複雑なネットワークとなっているのです。

東急・相鉄両線とも既に複雑に入り組んだ網の目路線となっていることがわかったところで、ここからまたさらに複雑になっていく路線網をどのように結んでいくのでしょうか。ここからは筆者の推測と見解を交えた文章となりますためご了承ください。

公式で発表されている、東急・相鉄直通線の運行概要(予定)が

■相鉄新横浜線(羽沢横浜国大駅~新横浜駅間)

朝ラッシュ時10本/時
その他時間帯で4本/時。

■東急新横浜線(新横浜駅~日吉駅間)

朝ラッシュ時毎時14本/時
その他時間帯で6本/時。

新横浜駅
新横浜駅

見る限り路線の複雑さを考慮すると多い本数のような気がします。両線で本数が違うのは、東急側で新横浜駅止まりの列車が設定されることが予測できますね。新横浜駅は2面3線のホームとなり、中線で折り返しができる設備となるようなので、毎時2本(ラッシュ時4本)が新横浜折返し便となるのでしょう。

また運行される種別の話で、これは完全筆者の予想ですが日中時間帯で東横線・目黒線で急行と各駅停車それぞれ3本ずつ(うち2本が新横浜止まり)の計6本となるのではと推測します。これは東横線の特急がFライナーとして横浜方面への速達性・需要に現在も大きく貢献していると思いますし、新幹線乗換や神奈川東部方面へのアクセス向上があっても特急を運行するメリットとしては少し弱い気がします。また東横特急が接続駅である日吉駅を通過することも理由のひとつです。

しかしこれが急行となると少し事情が変わります。東横急行は渋谷を出ると日吉まで7駅に停車と速達性はあまりなく、現行でも綱島に停車することを踏まえると、新横浜線の途中駅でもある新綱島駅に急行も停車するでしょう。目黒線に関しても急行の停車駅が東横線と共通なのでこのパターンが適用されると思われます。となると新横浜線に直通する便は急行を含めても、少なくとも相鉄線・西谷までは各駅に停車することになりますので、パターンダイヤを組むことで運用の合理化が図れます。このことから東横特急=横浜までの速達種別。急行=新横浜方面へのアクセス向上。と種別ごとの棲み分けができます。よって相鉄直通に対応しない西武線直通系統がSトレインを含むFライナー特急運用のメインになるのではと考えます。

ただし朝夕ラッシュ時は、通勤特急の直通は大いに考えられると思います。これは日吉駅に停車することはもちろん、通勤需要は二俣川や新横浜からの顧客獲得も期待値が高いと思われます。

東急線の話で盛り上がりましたが、相鉄側のダイヤはどうでしょう・・・これに関しては、JR直通線が日中の特急運用を取りやめ、各駅停車での運行となっているため、正直読みづらいのが感想です。恐らく需要の面からしばらくはいずみ野線系統の直通は無いと思われます。

これ以上の推測は終わらない気がしてきますので、これくらいにしておきます(笑)

まとめ

いよいよ開業まであと1年と刻々とその時が近づいてきた東急・相鉄直通線。線路は続くよどこまでもとはよく言ったもので、首都圏の鉄道路線は途切れることなくひたすら続いていきます。利便性が向上する一方で、知識の疎い方にとってはよりわかりづらいものになるのは否めません。そういう方たちのためにも、こういった問題もわかりやすく解説できるサイトにしていきたいと改めて思いました。

そしてすみません、運転系統の推測・考察でやはり熱くなってしまいましたm(_ _)mこの手のお話は議論の対象になってしまいますが、あくまで予想であり筆者自身が勝手に述べていることであることをご了承いただけるとありがたいです(笑)

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