駒込駅周辺 ―広大な日本庭園とソメイヨシノの街―

駒込駅周辺 ―広大な日本庭園とソメイヨシノの街―

東京都
2022.06.03 2022.07.15
KOMAGOME

日本の首都・東京。その中心部を囲うようにグルグルと回り続ける路線がありますが、それが皆様御存知であろうJR山手線です。東京駅や渋谷・新宿・池袋などといった東京を代表する街を通りますが、そんな中でも少し大人しめな印象のある駅がちらほら。そのひとつが今回ご紹介する駒込駅です。
山手線の他に東京メトロ南北線が通りますが、駅周辺は商店街と住宅街に囲まれる他、台地となっているため駅自体も2方向で高低差のあるものとなっています。あまり派手な印象のある駅ではないものの、実は日本の代名詞となった樹木が生まれた由緒正しき地であること、また300年もの歴史を持ち、その面影を今なお残す庭園があったりと、蓋を開けると魅力たっぷりの街でした。そんな駒込駅の周辺を巡ってきました。

商店街と大通りに面した駅前の様子

駒込駅東口

山手線の駒込駅は2箇所の改札口を有しますが、双方で線路下と橋上駅舎であるなど、高低差のある駅となっています。
まずご紹介するのは、田端寄りの線路ガード下にある東口。南北に通り抜けができる自由通路の役割を果たし、駅前は双方向で商店街が連なるエリアとなっています。

駒込駅西口

一方の西口は本郷通りに面した台地の上に駅舎があり、ホテルメッツが併設しています。南北線はこの地下を通ります。
南側にロータリーを有し、御茶ノ水駅秋葉原駅方面の都バスの他、北区が運行しているコミュニティバスが発着しています。

駒込駅周辺の街並み

駅周辺の環境は、前述のとおり台地となるため坂道や階段などアップダウンが多くなります。住宅も多く、家賃相場に関してもおよそ8〜16万円(ワンルーム〜2LDK)と、山手線沿線では安い部類に入ります。また公園や公共施設なども充実しているため、総じて住みやすい環境であると言って良いと思います。

商店街が盛んなお買い物スポット

駒込銀座商店街(さつき通り)

前述でご紹介した通り、東口を出ると双方で商店街が広がりますが、北側へ伸びるのが駒込銀座商店街(通称:さつき通り商店街)です。道幅もそこまで広くはなく、全長は160mと短いものの、飲食店や雑貨店などのお店がひしめく下町の商店街といった印象。居酒屋も多いので、夜もまた賑わいがありそうです。

アザレア通り

一方の南側に伸びるアザレア通り商店街は、駒込銀座とは打って変わり、道幅もそれなりに広いせいかのんびりとした印象。ホーム脇に咲くつつじにちなんで名付けられた商店街だそう。

マルエツプチ駒込店
マルエツプチ駒込店
マルエツプチ駒込中里一丁目店
マルエツプチ駒込中里一丁目店

駅界隈にはスーパー・マルエツプチが2店舗、北側駒込銀座の外れに駒込店。南側アザレア通り沿いに駒込中里一丁目店があります。

エネルギースーパーたじま

西口から本郷通りの信号を渡り、王子方面へ進むとエネルギースーパーたじまなるスーパーが。東京都心の東側を中心に店舗展開をしているスーパーだそう。

霜降銀座商店街

その横には歩行者専用道路となっている、いかにも情緒ある感じのこちらは霜降銀座商店街。およそ60にも及ぶ様々な商店がひしめき合い、呉服屋さんや洋服屋さんなどの昔から根付いているお店、近年入ったであろう今どきのカフェやかき氷屋さんなど、新旧世代で幅広く楽しめる商店街です。

日本最多の桜・ソメイヨシノはこの地で生まれた

染井吉野桜記念公園

西口の南北双方の広場には桜の木が植えられており、一見よく見るソメイヨシノですが、これには深い訳がありました。そう、この駒込の地は、ソメイヨシノ(染井吉野)が生まれた地・発祥の地でもあるのです。そのため西口の北側広場は正式名が染井吉野桜記念公園となっており、記念碑も置かれています。また駅前の郵便ポストも桜をイメージしたピンク色のものになっています。

品種名に「吉野」が付くことから、奈良県にある吉野町から来たもの・・・ではなく、正式な由来は駒込駅の西側にある「染井」の地名から。奈良県の吉野の桜にちなんで語尾に「吉野」が付けられたので、あながち間違いではありませんが、吉野の千本桜はヤマザクラです。

造園当時の面影を残す日本庭園 六義園

六義園

西口の南側を出て、本郷通りに沿って少し南へ行くと、レンガ造りの塀が囲う広い敷地が。こちらは日本庭園・六義園(りくぎえん)で、徳川5代将軍・徳川綱吉の側用人として仕えた柳沢吉保が、自らの下屋敷として造営した大名庭園で、一時期荒れた時期はあったものの、昭和13年に当時の東京市に寄贈されて以来、都営の日本庭園として一般公開されています。
特筆すべき点として、数々の時代を重ねながらも、関東大震災や、第2次世界大戦時の東京大空襲でも被害を受けることなく、造園時の面影を残す、まさに奇跡の庭園。1953(昭和28)年には特別名勝に指定されています。

吹上茶屋

およそ89,000㎡にも及ぶ広大な敷地内には、庭園を眺めながらくつろげる吹上茶屋

桜ようかんとアイスコーヒーのセット

こちらは入口近くの売店・休憩処の桜ようかんとアイスコーヒーのセット(500円)

六義園ライトアップ

また春と秋には、しだれ桜と紅葉のライトアップも開催され、この時期は開園時間も21時まで延長されます。

六義園

住所:東京都文京区本駒込六丁目
開園時間:9:00~17:00(入園は16:30まで)
休園日:年末・年始(12月29日~翌年1月1日まで)
入園料:一般/300円、65歳以上/150円、小学生以下及び都内在住・在学の中学生は無料

公式サイトを見る

 

 

まとめ

都心部の中核を担う都市を結ぶ山手線の駅の中でも、比較的落ち着いた印象を持ちながら、日本最多の桜の品種・ソメイヨシノ生誕の地であること。さらに400年以上の歴史があり、災害や戦火を免れた奇跡の日本庭園・六義園など、由緒正しきスポットが集まる街・駒込。
筆者自身もなかなか訪れる機会がない場所でしたが、当サイトでお世話になっているライターさんがきっかけをくださったことで、ソメイヨシノや六義園などの面白い発見へと繋がりました。この場を借りて御礼申し上げます。
やはり駅も実際に訪れてみないと深くは知れないものです。もちろんその地にお住まいの方からすれば、まだまだ知識が薄いですが、私には私にできることで、余所者の視点だからこそ気づける魅力に、これからも迫っていきたいと思う所存です。

 

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