浦安駅周辺 ―漁村からベットタウンへ、街並みと歴史を辿る―

浦安駅周辺 ―漁村からベットタウンへ、街並みと歴史を辿る―

千葉県
2022.04.10 2022.08.06
URAYASU

千葉県の東端に位置し、東京との玄関口としても機能する「チーバくんのベロ」こと浦安市。面積は県内一小さいですが、世界でも有名な東京ディズニーリゾートを有することで知名度はそれなりに高い街でもあります。そんな浦安市には以前当サイトでもご紹介している舞浜駅新浦安駅と、今回ご紹介する浦安駅の3駅があります。前者2駅はJR京葉線の駅となりますが、浦安駅は唯一東京メトロ東西線の駅となり、乗換駅ではないにも関わらず快速電車が停車する主要駅のひとつとなっています。そんな浦安駅は市内3駅で最も古く、昔ながらの建物も多く残るので、歴史の匂いが漂います。果たしてどんな軌跡を見せてくれるのでしょう。早速ご紹介していきたいと思います。

交通量も人通りも多い駅周辺

浦安駅前ロータリー

改札を出ると、色鮮やかなお花が植えられた花壇とロータリーがお目見え。その周りに商店や雑居ビルが並びます。ロータリーとはいえどバスが入ってくる様子はなく、自家用車スペースとタクシー乗り場だけのこじんまりとしたもののようです。

浦安駅前の商店街

ロータリー横の小路を入ると商店街が並びます。飲食店が多いですが、特に居酒屋が目立ちます。

やなぎ通り
やなぎ通り

浦安駅前はやなぎ通り千葉県道6号市川浦安線の広い道路が交差するため、交通量がわりかし多い地域でもあります。両道路が交わる浦安駅前交差点は県内でも特に交通事故件数が多い場所。交通ルール上は歩行者優先といえど、必ずしも車が譲ってくれるとは限りません。身を守るために注意を怠らないようにしたいですね。

千葉県道6号市川浦安線
千葉県道6号市川浦安線

利用前にチェック!バス乗り場はここです

上記でご紹介したとおり、浦安駅前のロータリーはバスの乗り入れはありません。交通量も多いのでバスの発着があるように思えるのですが・・・?

ご安心ください。ちゃんとバス停はあります。

浦安駅入口バス停

ロータリーからやなぎ通りに出ると浦安駅入口バス停があります。こちらは東京ベイシティバスが発着し、同社の主要ターミナルのひとつになっています。おもに新浦安駅や舞浜駅方面へ向かうバスが発着しています。
ただし注意したいのは、方角別にバス停の場所が異なっており、目的地別に乗り場を予め確認しておくことが必要になりますので、くれぐれもお気をつけください。

浦安駅バス停

こちらは市川浦安線側、北側出口を右手に少し進むとある浦安駅バス停。おもに京成トランジットバス本八幡駅や市川塩浜駅方面へ結ぶ路線が発着します。当駅から市川市の中心部を結ぶ便利な路線ではありますが、旧道を走るため所要時間はそれなりに掛かりますのでご注意ください。(潔く西船橋乗り換えが断然速いです。)

大手から地域密着のスーパーまで!周辺のお買い物スポット

浦安市の元祖商業地域ということもあり、もちろんお買い物も非常に便利となっています。

メトロセンター浦安

東西線の高架下一帯を占めるメトロセンター浦安は、駅舎を中心に方面別にフロアが分かれるショッピングセンター。大手町・中野寄りは飲食店街、西船橋よりには専門店が中心に入るフロアとなっています。

西友浦安店

浦安駅前最大規模の売り場面積を誇る西友浦安店。1979年の開店以来、駅前商業の中心を担ってきました。食品売り場はもちろん、飲食店や書店等も揃うショッピングセンターとなっています。また24時間営業も嬉しいポイント。

ワイズマート 浦安本店

北側・市川浦安線の向こう側にあるのがワイズマート浦安本店。千葉県を中心としたスーパーマーケットで、こちらはその本店ならびに本社となります。こちらも24時間営業となっています。

ダイエー 浦安駅前店

やなぎ通りを新浦安駅方面へ少し歩いていくと、左手にダイエー浦安駅前店が見えてきます。駅前のスーパーの中では新参で2014年に開店。子育て世代や働く女性をターゲットに、ダイエー店舗では初の保育所を併設。待機児童問題への取り組みとしての試みだそうです。

スーパー木田屋

最後にご紹介するのは、駅から東に5分程の距離にあるスーパー木田屋。地域密着型のスーパーですが、特に注目したいのはお店で売られているお弁当。種類豊富でボリューム満点なお弁当がなんと310円(税込)という破格で販売されています。このお弁当は東京都内や千葉県で店舗を持つニコ丸弁当というお弁当屋さんで売られている商品と同じものなのですが、それもそのはず。そのニコ丸弁当の運営をしているのがこの木田屋なのです。筆者も以前、当時の職場近くにニコ丸弁当のお店があり、よく利用していましたが、310円とは思えない、サラリーマンのお腹を満たすには十分すぎる内容でした。ここに来たらぜひ注目してみてください。

かつての漁村。その歴史を体感できる、みどころスポット

今でこそディズニーランドや、新浦安の高層マンション群が有名な浦安ですが、その昔は漁村として栄えました。時代を越えて街の様子や役割は姿を変えましたが、その名残を今でも体感できるスポットがあります。

旧江戸川と鉄橋を渡る東京メトロ東西線

こちらは浦安市の沿岸を流れる旧江戸川。県境となっており、これを越えると東京都江戸川区となります。浦安駅にほど近いエリアは船宿が多く点在しており、漁業から釣り客を相手にした業態に移り変わっていったようです。

旧宇田川家住宅

先でご紹介の通り、浦安駅周辺は市内でも古い街であることから、歴史的な建物や施設が集まります。こちらの旧宇田川家住宅は市内で最も古い建物で、明治2年に建てられたそう。元は米屋・呉服屋などの商家として使われていたそうで、一般公開も行っています(※1)。

旧大塚家住宅

こちらも市の有形文化財として保存されている旧大塚家住宅。漁業を営んでいた方の住んでいたお家だそうで、茅葺屋根の裏に屋根裏部屋があるのだそう。水害の多かった浦安に住む先人の知恵がここに残されています。(※1)

旧濱野医院

大塚家住宅からさらに東へ進むと、今度は洋風のおしゃれな建物が見えてきます。こちらの旧濱野医院は浦安で最初の洋風建築として昭和4年に建てられ、医院として使われていたほうが洋風、住宅部分は和風という和洋折衷で造られたようです。まだ当時は西洋の文化が現代ほど波及していなかったのでしょう。

境川

こちらは上記3つの建物の直ぐ側を流れる境川。かつては漁港として使われ、多くの漁師たちがここから海へと向かっていったそうです。現在はおしゃれな遊歩道として整備されています。

(※1)=2022年4月現在、公開は市内者(市内在住、在勤、在学)の方のみの利用に限定されています。

まとめ

都心からもほど近いベットタウンにおいて、新興住宅地やテーマパークの造成がありながらも、衰えること無く地域の発展を根ざしてきた浦安駅周辺。たとえ本来の役割や姿がなくとも、そこに文化の痕跡としてあったものは可能な限り残すという、先人が創り上げてきたものへのリスペクトを感じることができたような気がします。新浦安駅や舞浜駅の記事で申し上げたように、かつて浦安に住んでいたこともあり、この地域は筆者にとっても愛着があります。ネズミのカチューシャ着けてインパも良いですが、先人たちの文化に触れられる歴史トリップもぜひおすすめですよ。

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