東京駅から快速で約25分、西船橋駅から約5分ほどの位置にある、JR京葉線・南船橋駅。
京葉線開業とともに1986年に開業した当駅は、快速停車駅となっている他、武蔵野線の直通列車の大半が当駅で折り返します。
周辺は東京湾からほど近い距離にあることから、工場や倉庫などが集まる工業地域でもありますが、ららぽーとやIKEAなどの商業も盛んで、週末になると多くの人で賑わいます。
さらに駅前は高層マンションや趣ある団地が並んでいたりと、住の機能も備える街でもありますが、紐解くとおもしろい背景も垣間見える街でした。
今回はそんな南船橋駅周辺を歩いてみたいと思います!
もくじ
高層マンションの前身はスキー場!?駅前の住環境を見る
駅の南側へ出てみると、原っぱが広がる空き地が広がり、その向こうにはレトロな風情ある団地群が一際目立ちます。こちらは「若松団地」というURが運営する大規模団地のひとつ。1969年に造成とその歴史は半世紀にまでのぼり、駅開業の前からこの地に存在しています。
さらにその奥に見える高層マンション「ワンダーベイシティサザン」。このマンションとIKEAを含む一帯は、かつて「ららぽーとスキードームSSAWS(ザウス)」という屋内型のスキー場がそびえ立っていました。
開業時期がスキーブームであったこと、東京ディズニーリゾートから近いこともあり人気スポットとなっていましたが、スキーブームの終焉とともに来場者数は減少。2002年に閉場となり、その跡地にこれらが建てられました。
若松団地の中を歩いてみました。所々シャッターが閉まってはいたものの、奥にあるスーパーが営業していました。こうした団地の住民に向けに営業する店舗も昔はよく見ましたが、こうして営業している場所がまだあるのも昭和生まれには嬉しいものです。
団地のさらに奥へ行くと、テニスコートや野球場、一面植樹が豊かな「若松公園」。お散歩やランニングに最適な公園。トイレなどの設備もリニューアルされてきれいになっていました。

また余談ではありますが、昭和の時代の写真をお借りさせていただきました。
こちらは京葉線やららぽーとが開業する前、1970年代の写真となりますが、かつてこの地には「船橋ヘルスセンター」という超巨大娯楽施設がありました。遊園地から海水浴場、テニスコート、はたまたセスナの飛行場など、、、昭和の娯楽を一気に敷き詰めたような施設だったのですが、1977年に閉園。敷地の一部は後にららぽーとが建設され、付近も国道357号線と首都高湾岸線、京葉線も開通。埋立地もさらに範囲を広げ、現在のような工業地帯へと発展していきました。
実はここから始まった、ショッピングモールが集まる街
南船橋の代名詞ともなっているショッピングモールのひとつがここ「ららぽーとTOKYO-BAY」。
今では全国数カ所に点在するららぽーとですが、その第一号店として1981年に開業したのが当施設で、開業以来その店舗面積はららぽーとの中で最大の誇ります。
飲食店やブランドショップなどはもちろんのこと、ポケモンセンター、ふなっしーLANDなどの人気キャラクター専門店。さらには10代女性向けのエリア・LaLa Popteen Landなども備えているので、お子様にも嬉しいスポットですね。近年はコストパフォーマンスの高い生鮮食品が売りのスーパー「ロピア」も進出していることで、さらなる賑わいを見せるモールとなっています。

次に紹介するのは、ららぽーとのすぐ横に隣接する「ビビット南船橋」。
ビビットの特徴としては、ららぽーとには入っていないニトリやファッションセンターしまむら、ブックオフなど、補完的な役割を果たしており、さらには島村楽器や鉄道模型店・ポポンデッタなど趣味性の高いテナントも入っていて、充実度が高いのが嬉しいポイントです。
駅を南側に出て、目の前に見えるのが「IKEATokyo-Bay」。
こちらも数あるIKEAの日本第一号店として、2006年に開業しています。
スウェーデン発祥の家具店ということで、ご存じのとおり販売する家具はコスパも高く、ショールーム形式の売り場は回るだけでも満足度は高いです。
店内にはレストランや軽食コーナーもあり、いずれもコスパが高いので、小腹が空いて、お金安く済ませたいというときにはおすすめです。
筆者もよくららぽーととIKEAのハシゴをしますが、レジ前の売店で売られているホットドッグ(80円)や、ソフトクリーム(50円)という驚きのコスパで購買意欲をそそられ、さらにはドリンクバー(100円)もつければ3時のおやつはここでしっかり済ませられます!
ふなっしーがいる公園!?地域と共存する新たな倉庫街のカタチ
IKEAの西側にある倉庫街へとやってきました。「三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)」の建物がひときわ目立ちますが、その横には何やら気になるものが。。。?
なんとこれは。。。卓球台でしょうか??屋外で卓球ができるとは、かなり斬新ですね。
さらに奥へ進むと、なんとこれは船橋市在住のご当地キャラ「ふなっしー」ではありませんか!
こちらは2021年7月にオープンしたばかりの「ふなっしーパーク」で、MFLPの区画内に展開された「&PARK」に設置されています。規模自体は大きくはないですが、ふなっしーのオブジェや遊具が今にも「梨汁ブシャ〜〜」と言い出しそうです。
この一帯はMFLPの敷地に設けられた地域住民向けの区画となっており、南船橋駅寄りにはMFLP社員さん向けのカフェや託児所が入る施設「&GATE」もあります。



またIKEA前の交差点向かいと、&PARK奥にも公共の公園が設置されています。
倉庫街というと土地柄殺風景なイメージを持ちますが、マンションや団地などの宅地が隣接することもあり、こうした憩いの場を設けることで地域との共存を図るのは、取り組みとしてとても素晴らしいものですね。
駅前がさらに便利に!?再開発に向けての工事が進行中
最後にご紹介するのは、見通しの良いこちら。南船橋駅前(南口)です。周辺地域の開発が進む中、長らくの間駅前は空き地となっていましたが、漸く開発されることになり、現在工事が進められています。計画では広場を中心に商業施設や居住施設、福祉施設などが建設される予定です。
またMFLPの横あたりでも工事中の囲いが見えますが、こちらは「LaLa arena TOKYO-BAY(ららアリーナ 東京ベイ) 」が2024年春の開業に向けて工事が進められています。約10,000人が収容できる大型アリーナで、Bリーグ・チーム千葉ジェッツふなばしのホームアリーナとなるそうです。
まとめ
ららぽーとやIKEAなどの商業施設が街を賑わせ、居住地域が隣接することから倉庫のイメージを覆し、地域との共存を目指す街。また過去には娯楽施設として開発され、時代とともに全く異なる変貌を遂げた数奇な発展をしてきた街でもありました。
地域に根ざす以上地域との連携は欠かせないものだと思いますが、その意志を街づくりの観点から気付かされたとともに、私自身もとても考えさせられるものでした。地域にとって何が一番重要で最適なのか。駅前を紹介するものとして、これからも考え、少しでもよりよい街づくりのお手伝いをさせていただければと思っています。