2020年1月21日、横浜みなとみらい地区に高々とそびえる1棟の一角に、とある鉄道ミュージアムがオープンしました。
その名も「京急ミュージアム」。
大手鉄道会社が運営する博物館は、関東地方だけでもJRの他に、東急、東武、京王、東京メトロなどがありますが、京急でははじめての博物館となります。
京急といえば、「赤い電車」の愛称で沿線住民のみならず、鉄道ファンの間でも人気の高い私鉄ということで、オープン前から注目度が高い施設でした。
そんな京急ミュージアムを、えきまえふぁん独自の視点で徹底調査!
少し長くなりそうなので前後編に分け、まずは前編・入場から施設内のご紹介をしたいと思います。
京急本社ビルの一角に佇む、ファン大興奮の聖地
京急ミュージアムがあるのは、2019年に竣工、移転した横浜みなとみらいにある京急本社ビルの1階部分。
数多くの大手企業ビルも立ち並ぶオフィス街にありながらも、アクアブルーの「KEIKYU」ロゴはその存在感を放っています。
アクセスも横浜駅東口から徒歩7分。みなとみらい線・新高島駅からは徒歩1分という好立地!


京急ミュージアムは現在感染症対策として、入れ替え制による入場制限を行っています。
平日の入場は先着順(整理券配布)となりますが、土休日と混雑期はWEB事前予約が必要となります。
その他各種体験は事前予約が必要となりますので、来館の際はご注意ください。

整列場所の先頭側にはベンチがあるのですが、このベンチは2019年まで活躍していた800形のロングシートを流用しています。800形といえば「だるまさん」の愛称で親しまれ、登場から間もない1979年には鉄道友の会よりローレル賞を受賞した名車。入場前からぞんぶんに京急を堪能することができます。

入場時間になると、入場列先頭側の横にあるエレベーターで順次1階へと降ります。
エレベーターを降りると、往年の名車・230形がお出迎え!
赤い電車の歴史や体験などを存分に味わっていきます。
ミュージアムの中心を占める、沿線を再現した鉄道模型ジオラマ
京急ミュージアムは広さこそそこまでないものの、ここでしか体験できないコンテンツもたくさん!
それでいて入場無料という何とも嬉しいサービス精神。
それでは早速見ていきましょう。
ミュージアムの中央を堂々と占めるのは、京急沿線の町並みを再現した鉄道模型のジオラマ「京急ラインジオラマ」。
HOゲージの京急の車両がひっきりなしに線路を駆け抜けていきます。
こちらは高架化によって2層構造の要塞駅へと生まれ変わった京急蒲田駅。ちょうど上を2100形ブルースカイトレイン(通称:ブルスカ)が通過していきます。
こちらはえきまえふぁんでも紹介している上大岡駅。京急百貨店屋上のフットサルコートまでしっかりと再現されています!
そして横浜といったら地上70階建ての超高層ビル・ランドマークタワー。模型でもその存在感は圧巻!
付近には赤レンガパークやコスモワールドの大観覧車・コスモクロックも忠実に再現されています。
京急といえばやはり忘れてはならないのが、東京都心側のターミナル駅となる品川駅。趣のある2面3線のホームが印象的ですが、現在進められているJR山手線ホームの改修工事が終わった後に、東側に移設される予定となっています。
また実際に鉄道模型の車両を、運転台を使って操作する体験も(100円/一回)。今回訪問した日は残念ながらメンテナンス中で使用できず。ちなみにこの運転台は先述でも紹介した800形で使われていた運転台なんだそうです。
大人も子供も楽しめる!体験型コンテンツいろいろ
お次に紹介するのは、1000形の運転台を模した運転シミュレーター。こちらは事前予約制となっており(500円/1回)、難易度も初級・中級・上級の3段階の他に、小さいお子さんでも楽しめるワクワクコースの4種類を用意。加速が気持ちいい京急の走りを体験できるとあって、小学生のお子さんで賑わっていました。
また運転台後ろには、京急車両の一部に採用されているボックスシートや、京急沿線の車窓を楽しめるムービーが流れたりと、ここだけでも十分京急の魅力を味わえるコンテンツとなっています。
運転シミュレーターの横には、230系の模型につけられたパンタグラフの操作を体験できるコーナー。
京急といえば鉄道だけでなく、バス事業も展開しています。ブース内には京急バス仕様のいすゞ・エルガのモックアップが鎮座。ここでは運転席の操作や、バスの行先変更操作などが体験できます。

モックアップの背後には京急バスの模型が。路線バスやグループ系列の川崎鶴見臨港バス、リムジン専用バスの模型が飾ってあります。
こちらの一風変わった形のバスは、1990年代に鎌倉駅〜大仏・大塔宮間で運行されていた「りんどう号」の模型。レトロな雰囲気が印象的で、車両後部には展望デッキが設けられていたり、観光地鎌倉にふさわしい車両のひとつでした。
こちらはかつて使われていたバス停。梅屋敷と書かれているので、国道15号線に置かれていたものでしょうか?
お次は230形車両の横に備え付けられたスイッチ。
こちらはドアを開閉できるスイッチとなっており、操作することで実際に230形の側面ドアを開閉することができます。
車両後部横には、踏切警報機が。こちらは非常ボタンを操作すると、車両先頭側の上部にある非常灯が点灯する仕組みとなっています。
施設内奥に設けられたスペースには、自分のオリジナルプラレールが作れる「マイ車両工場」(事前予約制・1,000円/1回)。
スタッフさんの講義を受けながら、カラーペンやシールを使って、自分だけのオリジナル京急プラレール車両が作れます。作ったプラレールは、ミュージアムオリジナルのボックスに入れて持ち帰ることができます。
京急の歴史を物語るお宝の数々
今回は京急ミュージアム内で楽しめるコンテンツをご紹介しました。
しかし京急の魅力はこれだけにとどまらず。関東で初めての電気軌道として開業した、100余年の歴史もふんだんに敷き詰められています。
次回はそんな京急の歴史や、ここでしか見ることのできないお宝をご紹介したいと思います。
京急ミュージアム
住所
横浜市西区高島1-2-8 京急グループ本社1階開館時間
1日3回入れ替え制
1回目=入館時間10:00~11:00 ※退館11:30
2回目=入館時間12:30~13:30 ※退館14:00
3回目=入館時間15:00~16:00 ※退館16:30休館日
毎週火曜(火曜が祝日の場合は翌日)
年末年始および臨時休館日入館料
無料 ※一部体験コンテンツは有料公式サイト
https://www.keikyu.co.jp/museum/アクセス
横浜駅東口から徒歩約7分
(みなとみらい線新高島駅からもアクセスできます)