横浜市港南区に位置する上大岡駅は、京急本線、横浜市営地下鉄ブルーラインの2路線が乗り入れるターミナルのひとつで、各線ともすべての優等種別列車が停車。とくに京急では横浜駅、品川駅に次いで第3位の利用者数を誇ります。横浜市南部エリアでは最大規模を誇る主要駅の様子を見てきました。
あらゆる交通機関が集まる、正真正銘のターミナル駅
高架線に2面4線のホームを有する京急は、ウィング号まですべての種別列車が停車。その構造から終日に渡って緩急接続が行われています。駅舎は京急百貨店を含めた駅ビル・ゆめおおおかと一体構造となり、主要駅に相応しい装い。改札は1階の中央改札とICカード専用の京急百貨店連絡改札、久里浜方面寄りにある階上の京急百貨店連絡改札の2箇所となります。
もうひとつの路線、横浜市営地下鉄ブルーラインは、鎌倉街道の地下に駅があります。改札口は横浜方の京急線連絡改札、湘南台方のバスターミナル連絡改札の2箇所で、乗換や周辺施設への連絡が考慮された導線となっています。
鉄道においては2路線となりますが、当駅を語る上で特筆すべきがなんと言ってもバス路線の多さ。ゆめおおおか1階にあるバスターミナルを中心に、たくさんの路線が発着します。バスターミナルからは駅周辺エリアを周るルートのものを中心に、鎌倉駅や大船駅へ至る路線も。さらに当駅の北側へ向かう路線(横浜駅や桜木町駅方面)は、鎌倉街道を隔てたカミオやミオカ側から発着しますので、行きたい方角によって乗り場が変わることを覚えておくと良いでしょう。
また忘れてはならないタクシー乗り場は、鎌倉街道沿いにある他、京急の中央改札を出て右手側、みずほ銀行ATM横の目立たない場所にしれっとございますので、ご利用の際は参考にしてみてください。
駅ビルに幹線道路、急斜面に囲まれた駅周辺
駅前の様子を見ていきましょう。
エントランスは線路を境に東西二手に分かれ、西側はすぐ神奈川県道21号横浜鎌倉線(鎌倉街道)が、京急と並ぶように南北に伸びています。ブルーラインは関内駅付近から港南中央駅付近までこの道路の直下を走ります。カミオやミオカなどの商業施設もこの沿道に集中し、駅前のメインストリートともなっています。また主要道路でもあり、バス乗り場などもあるため、交通量が非常に多い場所でもあります。
一方の東側は住宅街となりますが、坂道が多く起伏の激しいエリアとなります。当駅はちょうど多摩丘陵の谷間に位置しているためか、とても複雑な地形をしたエリアで、駅前は平坦であるものの、駅を出た瞬間に急な坂や階段が立ちはだかるため、ほんの数十メートル進むだけでも一苦労です。上大岡の「おか」は「丘」であってもおかしくありませんね(ごめんなさい)。
その代わりこの丘を登りきると、それはとても壮大な絶景を楽しむことができますので、いちどだけでも上ってみることをオススメします。
京急唯一の百貨店と、駅前を彩る商業施設
界隈最大の規模を誇るのが京急百貨店。京急としては唯一となる百貨店で、駅と一体構造となっています。地下1階〜地上12階フロアを有し、百貨店ならではの売り場の他、ヨドバシカメラやユニクロ、ジーユーなどのテナントも入ります。
同じく駅と一体となっているウィング上大岡も京急が運営する商業施設。レディースファッションや雑貨などを扱うお店が多くおしゃれな印象です。2階フロアにはガーデンコート、センターコートという2つのオープンスペースがあり、センターコートの方には、世界的な現代美術作家・奈良美智さんが手がけられた3体の人形が置かれています。
京急の西側出口から見て、道路の向こう側に見えるのがショッピングセンター・カミオ。こちらも京急百貨店と2階デッキや地下から連絡しています。飲食店と各種サービスショップを中心としたお店で構成される他、1階奥側にはスーパーもあります。
カミオの脇にあるパサージュ上大岡商店街(上大岡中央商店街)。アーケードが特徴的な商店街で、距離は100mほどとそこまで大きくはありませんが、とはいえここを抜けた先の住宅街と、駅を繋ぐ重要な役割を担っているのは間違いありません。
駅から少し南寄りに位置するミオカ。ヤマダ電機LABI上大岡を各店舗とし、上大岡で唯一のシネコン・TOHOシネマズが入ります。
駅のバスターミナルを越えてしばらく行くとあるオーケー上大岡店。パチンコ屋さんのインパクトが強く入り口が少々わかりにくいですが、ガラス窓に張られたロゴが何よりの証拠。高品質・Everyday Low Priceはそこに確かにありますのでご安心ください。
京急の線路を金沢文庫方面に沿って歩いていくと、右手側にヨークフーズ上大岡店の大きな建物が見えてきます。かつてはイトーヨーカドーとして営業していたのですが、リニューアルの末業態を変え現在の形に。かつてはレストランチェーン・デニーズの記念すべき日本第一号店もここにあったそうです(施設建て替えと同時に閉店)。
さらに南へ200mほど進んだ住宅街に差し掛かるあたりにある業務スーパー。ダイソーも一緒に入っているようです。
豊富なジャンルが飽きさせない!周辺のみどころ
駅のバスターミナルを越えてすぐの場所にある「赤い風船」と書かれた屋上看板が特徴的なこちらはakafoo park。ボウリング場やゲームセンターなどが入るアミューズメント施設ですが、飲食店や輸入食品等を扱うカフェなどのおしゃれなお店も豊富!また建物を介して南側へも抜けられるので、住民の方の抜け道としても使われているようです。
カミオやミオカの裏手側に流れる大岡川。磯子区の氷取沢を源流とし、横浜港へと流れる河川で、上大岡付近は中流域にあたります。普段は流れも穏やかで、川の近くまで下りられるようになっています。沿岸も遊歩道として整備されており、上大岡から弘明寺などを経て日の出町にかけては桜の名所としても知られています。
駅の東側から北の山の手を迂回するように歩いた場所に大賀の郷というひまわりの名所があります。毎年夏にはひまわりフェスタなるイベントが開催され、畑には3万本ものひまわりが一面を黄色く染めます。地元の商店会が中心となって、上大岡の新名所を作るべく2011年より毎年手掛けられているそうです。
この風景を見る限り駆け回りながら「菊○郎だバカやろっ!」とつぶやきたくなったのは言うまでもありません!(ネタが古い)
駅からは少し離れますが、東側から20分ほど歩いた場所にある久良岐公園は、港南区と磯子区にまたがる約23万平方メートルの敷地面積を誇る総合公園。起伏の激しい地形を生かした自然の豊かさが特徴で、園内北側には久良岐能舞台という日本庭園や能を楽しめる施設もあります。
まとめ
高台に囲まれ、絶景を楽しめるだけでなく、季節によってまた違う楽しみ方ができる上大岡の街。
発展した街である一方で、個性的な施設も光る面白い街でもありました。
筆者も昔からちょくちょく訪れてはいた街だったのですが、丘に囲まれた街であることは知ってはいたものの、まさかこんなに登るのが大変なのは思いもせず。。。住民の方はこの坂で体力が鍛えられていることでしょう(笑)
品川からも快特で30分ちょっと、横浜からも1駅で来れますので、ぜひプラっと訪れて街を楽しんでみてはいかがでしょうか。