伊勢志摩への旅を贅沢にする、近鉄の豪華観光特急「しまかぜ」乗車レポート

伊勢志摩への旅を贅沢にする、近鉄の豪華観光特急「しまかぜ」乗車レポート

クローズアップ
えきまえふぁん編集部
2022.03.18 2022.05.10
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関西と東海を股にかけ、日本の大手私鉄の中でも総営業キロ数最長を誇る近畿日本鉄道(通称:近鉄)。大阪から奈良・京都といった関西圏の主要都市をはじめ、名古屋、伊勢志摩といった中京圏までもカバーする広大な路線網を保有することから、名古屋〜大阪間を新幹線以外で走破する名阪特急(アーバンライナー、ひのとりなど)や、各主要都市から伊勢志摩、奈良県の吉野といった観光スポットへのアクセスも担うことから、有料の特急列車が盛んに運行されているのが特徴的です。そんな近鉄が2013年、伊勢志摩方面への新型特急車両として、満を持して投入したのが今回ご紹介する「しまかぜ」です。今回伊勢志摩への家族旅行で、念願の乗車が叶ったのですが、乗ってみるなりそこには他では味わえない、本当に特別な時間を過ごせる空間がありました。可能な限りではありますが、そんなしまかぜで見た光景をお伝えしていきたいと思います。

近鉄の未来への礎、観光特急しまかぜの概要

近鉄50000系 しまかぜ

しまかぜは、それまで減少傾向にあった伊勢志摩への観光需要の活性化、近鉄特急の新たなる位置づけを示すシンボルとして、2013年3月に専用車両として50000系が導入されました。その外観、正面は大きなガラス張りの窓に、鋭角な流線型で鳥のクチバシのよう。さらにこれまでの近鉄特急にはない、伊勢志摩の晴れやかな空をイメージした青と、高級感を象徴する金のアクセントに、パールのようなホワイトのカラーリング。志摩に吹く風の爽やかさと、車内で過ごす時間の心地よさから「しまかぜ」と名付けられました。
6両編成となっており、両端先頭車がハイデッカー構造、中間4両が平床となる凸凹な構造となっていますが、1両ごとに役割も異なるため、窓割りも違うのが見てわかります。

しまかぜ運行区間

そんなしまかぜの気になる運行区間はご覧の通り。西は大阪、東は名古屋と伸びる長大な路線網を活かして、発着の拠点は大阪難波駅、京都駅、近鉄名古屋駅の3つ。それぞれの拠点から、経由する近鉄の主要駅に停車しながら伊勢志摩へ向かって走ります。筆者はこの日まで大阪に滞在していたため、大阪難波駅から鳥羽駅まで乗車しました。

旅の目的のひとつ、贅を尽くした車内空間

それではお待ちかねの豪華な車内を見ていきましょう。

しまかぜ車内

しまかぜのシートは大きく分けてプレミアムシート、サロン席、個室の3種類。上図はプレミアムシートで、3列の座席が配置されます。特急列車で一般的なのは4列配置となりますが、しまかぜの名目は豪華特急車両。一般車両という概念はなく基本がプレミアムなので、乗車券を購入したと同時に快適な移動空間を確保することを約束されます。JRでいうグリーン車に匹敵・・・いや、それ以上かもしれません。

そのプレミアムシートがこちら。革張りのシートになぜかテーブルが向かいの席背後と肘掛けに収納されたものの2つ。どちらか一方を使用することとなると思いますが、いずれも木目調で温かみのあるものになっています。さらに左の肘掛け下にはマッサージチェアを思わせるようなボタンが。こちらはリクライニング等の操作ができるボタンで、まさかの電動!より正確にお好みのリクライニングが実現できる他、さらにその下のボタンはなんとフットレスト!こんなのここ最近のグリーン車にも付いていません!筆者のような庶民がこんな贅沢なお椅子に座ってよいのか・・・と恐れ入ってしまうくらい。

しまかぜの先頭車車内

こちらは先頭車の1号車、6号車の車内。こちらもプレミアムシートではあるものの、正面展望ができるようになのかハイデッカー構造となっています。

しまかぜサロン席

4号車(名古屋発着便では3号車)にあるサロン席は、最大6人が座ることのできるコンパートメント席。1編成に3区画用意されており、プレミアムシートと同額料金で乗ることができますが、利用には最低4人以上であることが条件です。

しまかぜ 和風個室
サロン席と同じ車両には個室席が2部屋あり、こちらはそのうちの1つ、和風個室です。(ちょうどまだ空席だったので拝借)もう一方の洋風個室はL字型のソファータイプの席となっています。こちらは3人以上から利用できますが、しまかぜ乗車料金(運賃+特急料金+しまかぜ特別車両料金)に加え1,080円/1室の個室料金が必要です。

しまかぜの自動カーテンボタン

また大きな窓に備え付けられた遮光カーテンは、なんとこれも自動式。細やかな部分にもハイテクな機能が施されています。

乗客目線の配慮が行き届いた車内設備

乗ることも旅の目的として位置づけたしまかぜ。また近鉄特急だからこそ実現できる車内設備は、快適な車内空間をより一層彩ります。

しまかぜ車内メニュー
席に備え付けの車両案内とメニュー

各座席には車内案内と、車内で味わえる食事メニュー、限定グッズの案内が備え付けてあります。

しまかぜの車内設備
おしぼりコーナー(左上)、ロッカー(左下)、喫煙室(右)

近鉄特急といえば、特急型車両に必ずあるおしぼりコーナー。しまかぜでは車内サービスで専用のおしぼりがもらえますが、通常のサービスも欠かさず行う徹底ぶり。両先頭車の車端部にはロッカーも設置されています。
また近鉄特急といえば喫煙室。近年の鉄道会社では廃止傾向にある設備ですが、近鉄特急ではしまかぜ、最新のひのとりを含む特急車両(一部を除く)に設置されています。筆者は禁煙に成功したためお世話になることはありませんが、乗車した列車でも利用されている方が多くいらっしゃいました。

しまかぜの化粧台

こちらはパウダールームと洗面台。それぞれ違うデザインが施され個性が際立ちます。

伊勢志摩の味を車内で楽しめる カフェメニュー

しまかぜに乗ったらまず注目しておきたいのが、目玉と言っても過言ではないカフェ。こちらでは沿線の名物メニューが味わえるということもあり、人気のサービスとなっています。今回筆者も利用してみましたので、ご紹介していきたいと思います。

しまかぜのカフェ
2階席(左上)、1階席(左下)、カフェ席横の通路(右)

6両編成中の3号車(名古屋発着便では4号車)すべてがカフェ専用車両となっており、2階席と1階席が設けられています。筆者は今回1階席を利用しました。

そして家族3人で注文したメニューがこちら!

しまかぜ アイスコーヒー
アイスコーヒー(420円)

特急列車に乗ると必ず飲みたくなるのがコーヒー。たまーにお酒も飲みますが、日中からあまりお酒を飲むモードになることがないので、ほとんどの場合はコーヒーですね。

しまかぜ モンブランとアップルジュース
スイーツセット(1,120円) モンブランとアップルジュース

子供が食べたスイーツセットは、この日は残念ながらモンブラン以外は売り切れ。少しいただきましたが、栗も濃厚で中のクリームがまたまろやかで、それでも十分すぎる美味しさ!

しまかぜ 松阪牛重
松阪牛重(1,500円)

妻が注文した松阪牛重。こちらも少しシェア食いしましたが、さすが松阪牛と言わんばかりのジューシーで口の中でとろける肉!これが1,500円で食べれるのだから、お得と言わざるをえません。

しまかぜ 海の幸ピラフ
海の幸ピラフ(1,500円)

最後にご紹介は筆者が注文した、一番人気と謳っている海の幸ピラフ。どこかのグルメ?な方が、インスタントとか冷凍とか揶揄していらっしゃいましたが、仮にインスタントで冷凍だとしてもかなりのクオリティ。(というか電車の車内メニューに何を求めているのだ・・・)市販の冷凍ピラフよりは遥かに美味しかったです。真ん中の伊勢海老は装飾ですが、その裏にはちゃんとゴロッとした剥き身がありますのでご安心を(笑)

しまかぜカフェからの車窓

食事をいただいているときは、ちょうど奈良県から三重県に入り、名張や青山町の山間部を通過しているところでしたので、山々ののどかな景色を楽しみながら食事を味わうことができました。

永久保存版!乗ってもらえる記念品と車内限定販売グッズ

しまかぜで体験できるのは贅沢な空間やひとときだけではありません。そんな貴重な体験をしたからこそ得られる記念の証があります。

しまかぜ記念乗車証と専用おしぼり

こちらはしまかぜに乗車すると、車内サービスでいただける記念乗車証とおしぼり。記念乗車証には乗車日が記されたスタンプが押されています。どれも乗車しないともらえないアイテムなので、勿体なくて使えません。。。!

しまかぜシール

小さなお子様にはしまかぜのカワイイシールがもらえます。

しまかぜキーホルダー

グッズメニューを見るなり、車内限定販売ということで購買意欲がとてもそそられてしまったので(笑)、集めるのが好きなキーホルダーをお買い上げ!これもまた勿体なくて袋から出せずにおります。

乗る、感じる、味わうだけでなく、旅の思い出も提供してくれるこのサービスの徹底ぶり。頭が上がりません!

まとめ

伊勢志摩への旅を、ただ目的地に向かうための手段から、道のりを目的として位置づけた観光列車の立役者・しまかぜ。筆者にとっても憧れの列車でありましたが、関東在住なのでなかなか乗れる機会がなく、ぜひ乗ってみたいとかねがね思っていたところ、ようやく乗ることができました。
これは全体を通しての所感となりますが、今回取材を絶対しよう!と意気込んでいたため、車両間の移動を頻繁に行っていましたが、私以外にも乗客の方の移動が多く見受けられたのが印象的で、やはり普段乗りなれないような列車だからなのか、しまかぜ全体を楽しんでいるように感じました。確かに私自身もこの空間全てを味わってみたいと思いましたし、その望みも叶ったような気がしています。そして滅多に乗れないからこそ、今このひとときを存分に楽しみたいと思いましたし、たった2時間足らずの旅でも、とても充実した時間を過ごすことができました。もちろんまた乗ってみたいと思いますが、今回体験したひとときはもう少し余韻に浸りたいので、しばらくはこの思い出を大事にしまっておこうと思います。

えきまえふぁん編集部

えきまえふぁんの中の人です。
阪急・新京成・近鉄推しの、生まれながらの鉄ヲタ。

「何気ない日常の中にある魅力を伝える」ことを信条に、えきまえふぁんの運営に日々取り組んでおります。

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