ユーカリが丘駅周辺 ―住みやすさを考慮した、千葉県郊外の大都市―

ユーカリが丘駅周辺 ―住みやすさを考慮した、千葉県郊外の大都市―

千葉県
2020.06.14 2023.08.06
YUKARIGAOKA

千葉県佐倉市は県北部のほぼ中央に位置し、江戸時代には佐倉藩の城下町や軍都として栄え、武家屋敷が残る観光スポットとしても有名です。昭和の高度経済成長期からバブル期となる頃、市の西部では大規模なニュータウン開発が行われ、その代表格となる街が、今回ご紹介するユーカリが丘駅です。京成本線ともう一つ、この街では欠かせない地域輸送を担う山万ユーカリが丘線が当駅に乗り入れます。
ニュータウン開発によって1982年に開業した割と新しい駅ですが、改札を出るとそこには高くそびえる高層マンションや商業施設など、とても郊外とは思えない街の姿が見て取れます。一体全体どうしてこんな大都会のような街になったのか。その秘密に迫っていきます。

郊外とは思えぬ立派な街の玄関口

ユーカリが丘駅 ホーム

ユーカリが丘駅は京成本線の普通・快速のほか、朝夕ラッシュ時には通勤特急が停車するため、都心方面のアクセスも決して悪くはなく、利便性が確保されていると言えるでしょう(2駅先の勝田台駅で東葉高速線へも乗り換え可能)。ホームは2面3線で上野方ホームは待避線が設けられています。

ユーカリが丘駅 改札口

改札は橋上駅舎に1箇所のみのシンプルな導線。改札を越えると左右二手に分かれ、左手は北口、右手は南口へと通じます。

ウィシュトンホテル・ユーカリ

メインエントランスの北口は出るとすぐペデストリアンデッキと直結しており、その中央にはデッキを貫くように駅名の由来ともなった立派なユーカリの木が生えています。またその後ろを振り返ると、駅側にも立派な佇まいの建物が。こちらは駅直結のホテル・ウィシュトンホテル・ユーカリとなっており、宿泊はもちろんのこと、ブライダルやイベント施設も完備された本格的なホテルで、メインタワーの客室からはユーカリが丘の町並みをはじめ、佐倉の街を一望することができます。
成田空港からも乗り換え無しで30〜40分で来れるので、ビジネスをはじめ観光の拠点としても最適でしょう。

ペデストリアンデッキ下にはロータリーがあります。バスも発着しますが、北口を発着する路線はなんとこのユーカリが丘周辺を循環する路線のみで、ユーカリが丘線を運営する山万が担っています。他駅などに行く路線はなく、バス事業者の乗り入れもありません。

ユーカリが丘駅南口

一方の南口。北口ほどの賑わいはないものの、マンションが駅に直結。2階部分は商業フロアとなっており、飲食店等が多く並んでいます。こちらもロータリーを有し、バスが発着しますが、北口とは対象的にちばグリーンバスや高速バスが乗り入れます。

また1階部分へ下ると、何やらまた地下へ続く階段が・・・。それに「バス停留所はこちら」と書いてあります。地下駐車場みたいなのがあるのでしょうか?

階段を下っていくとなんと!下にもさらにロータリーが!!南口はなんと2層構造のロータリーだったのですね。こちらからは佐倉市が運営するコミュニティバスが発着。本数は1〜2時間に1本と少なめですが、京成臼井方面へ循環する路線が発着しているようです。

大都市の生活を支える商業施設

高層マンションや戸建住宅が立ち並ぶ超大型ニュータウンのユーカリが丘ですが、この街を支えるお買い物スポットはどうなっているのでしょうか。

ユーカリプラザ

北口を出てデッキの向こう側に見えるのが、駅周辺の商業施設のひとつユーカリプラザ。スーパーの入居はないものの、学習塾や習い事の教室が多く入居しており、bayfm U-kari Studioやシネコン、ゲームセンターなどアミューズメントやカルチャーに特化している施設のようです。

スカイプラザ・モール
吹き抜けの広場
モール内にはリフォームのお店が多く並んでいる
モール内にはリフォームのお店が多く並んでいる
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ユーカリプラザを横目に、ペデストリアンデッキをさらに進むと見えてくるのはスカイプラザ・モール。OlympicおりーぶOKストアなどが入り、駅から最寄りのスーパーとなります。さらに2階にはユーカリが丘周辺の住戸を対象にしたリフォーム等のショールームがあり、システムキッチンやカーテン等の住居設備を販売しているようです。

スカイプラザ・モールを越えると、地区最大のショッピングモールイオンタウンユーカリが丘店が見えてきます。東館・西館の2つの建物からなり、東館はおもにレストランやペットショップ、フィットネスクラブなどが。対して西館はスーパーAEON STYLEをはじめフードコートやアミューズメントのフロアとなります。
双方共通してファッション店舗が多く入ります。また駅から無料の送迎バスも1時間に2本程度運行しています。

街のマスコットと好物がお出迎え、街のみどころ

ユーカリの木

駅を出るとすぐお出迎えしてくれるのが、名前の由来にもなったユーカリの木。デッキを貫くほどの大きな存在感は、街の玄関口を彩るにふさわしい、シンボルツリーとなっています。

ユーカリが丘に点在するコアラのオブジェ

そしてユーカリといえば、ユーカリの葉。ユーカリの葉といえばやはりコアラ街のマスコットキャラクターにもなっているコアラの銅像が、街の至るところに置かれており、来る人を出迎えてくれています。

街に馴染む生活の足、山万ユーカリが丘線

ユーカリが丘線

ユーカリが丘を紹介するのにこれだけは絶対外せない!それがこの街の交通を支える新交通システム・山万ユーカリが丘線です。ユーカリが丘駅を起点に北上し、広大なユーカリが丘の住宅地をラケットを描くように循環します。運賃は全線で一律料金となっており、大人200円(小児100円)とお手頃。ただし注意しなければならないのが、PASMOやSuicaなどのIC乗車券は使用できないので、予め現金を用意しておくのが良いでしょう。

ユーカリが丘のバス
ユーカリが丘線と同じカラーリングのバスが運行されている

また北口ロータリーからは、ユーカリが丘線とほぼ同経路のバスも運行しており、ユーカリが丘線の保管の役割を担っています。ユーカリが丘線が運休となった場合もこのバスが代走の役割を果たしているそうです。またこちらのバスもユーカリが丘線同様、PASMO、Suicaは使用できません。

郊外に現る高層ビル、この街を造りし者

ユーカリが丘の高層マンション群

高層マンションがそびえ立つ千葉県佐倉市のニュータウン・ユーカリが丘。それがこの街の特徴でもありますが、なぜこのような街づくりがされたのかを紐解いていきましょう。

このユーカリが丘が開発されたのは、高度経済成長期とバブル期の間となる1970年代のこと。山万という不動産会社が主体となって、以来40年以上に渡って現在でも開発が行われています。通常ニュータウン開発の手法においては、分譲撤退型(※1)で行われることが多いそうですが、ユーカリが丘は成長管理型開発を行うことで、街を段階的に発展させ、末永く管理運営をする手法をとっているのだそうです。そうした事情から、住宅はもちろんユーカリが丘線をはじめとした交通機関、商業施設(一部除く)、サービス事業(子育て支援センター、ショールームなど)の運営を総括して山万が行っています。その一元管理体制が、地域に根ざしたサービスが実現できているのでしょう。個人的な意見にはなりますが、むしろ街づくりにおいて最も必要かつ重要なのはこういうことなのではないかと思います。

ユーカリが丘の住宅街

ご覧の通りところどころで空き地があるのがわかります。少しづつ時代や住む人達に見合った開発がこれからも進められるのだなと考えるととてもワクワクしますね。

ユーカリが丘駅北口再開発プロジェクト

そしてなんと!またさらに再開発のプロジェクトが・・・!!これはもう目が離せません!!

(※1)分譲撤退型=ある一定期間まで一気に開発・分譲を進め、以降の開発や建て替えなどには関与しない手法。要するに売ったら終わりの販売方法。

まとめ

都心も顔負けの高層マンションや宅地で大都市を形成してきたユーカリが丘。民間企業が長きに渡って着実に開発を進め、徹底的に住民に寄り添い、住みやすさを重視した街づくりを行っているのが手に取るように伝わりました。こんな街ならぜひ住んでみたい!と素直に思える街ですが、残念ながら筆者は既に家持ちなのでその夢は叶えることはできません。しかし今日までになんと4回訪れるくらい好きになったのは言うまでもありません(笑)

これからも街に関わる人に寄り添った街でありますように。

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