佐倉の大都市を走る、灼熱の交通システム・山万ユーカリが丘線

佐倉の大都市を走る、灼熱の交通システム・山万ユーカリが丘線

駅のみどころ
えきまえふぁん編集部
2022.04.24 2022.04.24
EKIMAG

千葉県佐倉市の西部にあるニュータウン・ユーカリが丘。ベットタウンとしては珍しい高層マンションがあるなど、独特な街ではありますが、そんなユーカリが丘の暮らしにおいて欠かせない住民の足となっているのが、今回ご紹介する山万ユーカリが丘線京成本線と接続するユーカリが丘駅を起点に、新興住宅地の当地域の生活の足として活躍しています。今回はそんなユーカリが丘線の魅力に迫りたいと思います。

山万ユーカリが丘線とは

ユーカリが丘線

山万ユーカリが丘線は、千葉県佐倉市にあるユーカリが丘地区を中心に運行され、ユーカリが丘駅を起点に街を北上しながら、ラケットを描くように走るのが特徴で、ユーカリが丘駅を出ると地区センター駅、公園駅の順に停車すると、東側から循環するように女子大駅〜中学校駅〜井野駅の順に停車し、公園駅に戻ると再びユーカリが丘駅を目指します。そのため走行するルートは一方通行となりますが、重複ルートとなるユーカリが丘駅〜公園駅間のみ上下線運行となります。
車両は丸みを帯びた小型の可愛らしいもので、タイヤで走る新交通システムが採用されています。そんなユーカリが丘線は、街のデベロッパーである不動産会社・山万が運営しており、開発主が一貫して管理を行うことで、街に一体感をもたらしています。

街に溶け込む、駅らしくない各駅の紹介

ユーカリが丘駅

まずは当路線の起点駅となるユーカリが丘駅。京成本線の北口を出ると右手側にホームが見え、通路も直結しているので乗換は非常に便利です。

地区センター駅

ユーカリが丘駅を出て600mほどで次の駅となる地区センター駅に到着。スカイプラザ・モールイオンタウンユーカリが丘の最寄り駅で、駅舎自体もショッピングセンター・ジョイナードと一体となっていることから、商業施設が多く集まります。また駅前交差点の斜向いには、お風呂をメインにしたテーマパーク・アクアユーカリも。

公園駅

さらに500m進むと、ジャンクションの役割を持つ公園駅に到着。その名の通り駅前にユーカリが丘南公園から名付けられました。ユーカリが丘駅方面から来た列車は当駅から東寄りの線路を進み、環状運転をした後西側の線路に戻ってきます。また線内ではユーカリが丘駅と当駅が有人駅となり、鉄道事業本部事務所も当駅に付設されています。

女子大駅

公園駅を出るとニュータウンの様相から一変、自然味溢れる景色を眺めながらやがて女子大駅へ到着します。実はこの駅、女子大とは名乗っているものの、付近に女子大はありません。これは元々この地に和洋女子大学のキャンパスを誘致する予定だったのですが、計画は変更され敷地は研修センターとして使用されています。くれぐれも女子大の学食と運命的な出会いは期待せぬように!参考
駅前にはマンションと美容室、コインランドリーがある他、ユーカリが丘線の車庫があり、当駅発着の列車も一部存在します。

中学校駅

郊外らしい田園風景を横目に、起動は大きくカーブを描きながら切り通しの中を入るとすぐ中学校駅へ到着します。こちらは女子大駅とは違い、付近にちゃんと中学校があります。また中学校駅は駅前にショッピングセンター・ビオトピア・プラザや美容院、飲食店などが並び、線内の他の駅(※1)と比べていちばん駅らしい雰囲気。東側には大きな池と広場のある宮の杜公園などがあります。

井野駅

中学校駅を出るとひたすら切り通しの中を通り、線内唯一のトンネルを抜けると井野駅に到着。線内で唯一(※1)地名が付く駅で、最も駅らしい駅名ですが、駅舎はマンションのエントランス広場内にある構造で、最も駅らしくない雰囲気があります。その分街との溶け込み具合がずば抜けているので、一番印象深い駅かもしれません。

(※1)=いずれもユーカリが丘駅は除く。

灼熱に燃えたぎるユーカリが丘線のみどころ

ユーカリが丘の地域輸送を担うユーカリが丘線ですが、気になるその運賃はというと、全線一律200円(小児100円)。これはユーカリが丘線の他、地区内で運行されているバスも同価格となります。注意しなければならないのが、Suica、PASMOなどのICカード乗車券は使用できません。現金のみが使用できます。また通学/通勤定期券や回数券、1日乗車券も販売されています。

ユーカリが丘駅をはじめとした改札前には、顔認証システムの機器が設置されていました。こちらは2021年9月より実証実験が行われ、予定通りだと2022年1月には終了しているはずですが、2022年4月現在でも機器が残ったまま。引き続き実験が行われているのかは不明です。

新興住宅地といえどここは千葉県佐倉市という郊外の街。車窓からはのどかな田園風景も楽しめます。背景の高層マンションと、ユーカリが丘線の未来的イメージとのミスマッチもいい味を出しています。

なんと言っても外せないのは、やはりユーカリが丘線を支えるこの車両。1982年の開業以来40年に渡ってユーカリが丘を走り続ける1000形車両です。丸みをおびた愛らしい見た目で、ユーカリが丘にちなんで「こあら号」の愛称が与えられています。全部で3両/3編成が在籍しており、それぞれこあら1号〜3号と名付けられています。

そんな1000形コアラ号ですが、特筆すべき点として挙げられるのが、なんとこの令和の時代において冷房装置がついていない、いわゆる非冷房車となっています(※2)。そのため真夏の暑い日の車内をご想像することは容易でしょう。そう、灼熱の車内空間となるのです。その状況を少しでもよくするために、2018年からはクーラーボックスに入った紙おしぼりを車内に設置。2021年からはうちわも置かれるようになったそうです。冷房があたりまえとなったこの時代において、非冷房を体験できる貴重な路線であることは間違いないので、ぜひ体感してみてください。くれぐれも熱中症にだけは気をつけて!

(※2)=輸送規模に合わせた特殊な設計をした車両のため、現在でも冷房化の改修が技術やコスト面を踏まえて不可能。

まとめ

千葉県郊外のニュータウンの足として、40年近く地域輸送を担ってきた灼熱の交通システム・山万ユーカリが丘線。近未来的な高層マンションを縫うように走るかと思いきや、一面緑の田園風景が広がる田畑の中を走り、鉄道の駅とは思えない街の景観に馴染んだ駅舎など、地域に特化したユーカリが丘線だからこそ成せる魅力ではないでしょうか。これからも地域の発展のために、50年・・・100年後のユーカリが丘の未来を運ぶ鉄道であってほしいと思います。

えきまえふぁん編集部

えきまえふぁんの中の人です。
阪急・新京成・近鉄推しの、生まれながらの鉄ヲタ。

「何気ない日常の中にある魅力を伝える」ことを信条に、えきまえふぁんの運営に日々取り組んでおります。

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