神奈川県大和市は県のほぼ中央に位置し、相模原市や海老名市、厚木市などと並び県央地区を構成する街のひとつ。市内に数ある駅のうち、中心的役割を果たすのが大和駅です。南北に走る小田急江ノ島線と東西に走る相鉄線が交差する駅ということで、海老名駅や相模大野駅など県央の他のエリアはもちろん、横浜駅や藤沢駅へも直通するアクセスが非常に良い街となっています。そんな利便性抜群の大和駅を調査してきました。
なでしこもいる!商店街が賑わう駅前の様子
大和駅は小田急が高架駅、相鉄が地下駅となり、改札が地上階に北口、南口の2箇所に設置されています。構造として北口を相鉄、南口を小田急が管理しており、両社の間に連絡改札があるものの、こちらを介して小田急〜北口、相鉄〜南口への乗り降りは可能です。元々は改札を介すことなく乗り換えが可能でしたが、相鉄線がJRや東急(2023年3月予定)と直通されるのを機に2018年より設置されました。
駅前の町並みは小田急の高架線を境に東西に広がりますが、ここでは東と西に分けてご紹介。
西側には北口、南口に隣接するように2つのロータリーが敷かれ、バス停もそれぞれで分けられています。両ロータリーの間には大和なでしこ広場なる駅前広場が。その由来は大和の地名ももちろんですが、サッカー女子日本代表チーム(通称:なでしこジャパン)の元メンバーである川澄奈穂美選手、大野忍さんらをはじめとした女子サッカー選手との縁がある街ということで名付けられたそうです。また広場からさらに西へ伸びるプロムナードもなでしこの道と名付けられています。元々は地上線を走っていた相鉄線の線路が敷かれていましたが、地下化によって遊歩道が整備されました。
東側は駅ビル・プロスをはじめとした商業が盛んなエリアですが、特に商店街が賑わう街となっており、駅前の大和銀座、昭和通り商店街など、駅周辺だけでも11もの商店会が存在します。また西側同様に駅前広場が整備されており、こちらも相鉄線の地上線跡を利用したプロムナードが東へと伸びます。
商店街だけじゃない!駅周辺を盛り上げる商業施設
大和駅の実質的な駅ビルとなるプロス。くまざわ書店や食料品などなど各専門店が入り、地下1階フロアをダイソーが占めます。
南口を出てすぐ向かい側には、これまたお馴染みの小田急マルシェ。小田急の高架下約100mに渡って飲食店を中心としたショップが並びます。
一方北口の向かいにはこれも小田急の系列スーパー・Odakyu OX。駅から最も近いスーパーであることから電車の待ち時間にサクッとお買い物ができること。また高架下という立地から、お天気の悪い日でも雨に濡れずに入れるという利便性が評判のようです。
Odakyu OXの東側すぐ横に建つ大和スカイビル。元々はユザワヤが占めていたようですが、現在は核店舗として営業し、セリアやしまむら、食品館FUJI GARDENなどの複数テナントが入る複合型商業施設となっています。
東側のプロムナード沿いには相鉄ローゼン。店舗面積こそ大きくはないものの、開店時間が8:00と駅前のスーパーの中では早いのが嬉しいポイント。
北口から西側300mほどの場所にあるヨークマート大和中央店。駐車場付きのスーパーで、お買い物をすれば1時間無料となります。
南口を西側へ出て、あすろーど大和を200mほど南下した場所にあるマルエツ大和中央店。売り場面積も広く、2階部分にはゲオが併設。駐車場も完備されていますが、1000円以上のお買い物をしないと無料にならないようなので、車利用はヨークマートのほうが有利でしょう。
業務スーパーやまか中央店は駅から500mほど離れており、近くはないものの駐車場は無料で、冷凍食品の豊富さやコスパの良さが定評な業務スーパーですので、品物や状況に応じて使い分けると良いでしょう。
レトロなスポットに阿波踊り!知るべき大和の文化
南口を東側へ出るとすぐお目見えの、パッと目を引く黄色の趣ある建物。こちらは南店街という商店会で、純喫茶と書かれたカフェ・・・否!喫茶店に、入口のすぐ横にあるお弁当屋さん。一見入りづらそうな薄暗い建物の奥へ進むとバーや居酒屋などが並び、一気にタイムスリップをしてしまったのかのような、昭和レトロ風のディープな雰囲気を味わえます。
東側のプロムナードを300mほど歩いていくと、右側に見えてくる施設は大和市文化創造拠点シリウス。芸術文化ホール、図書館、生涯学習センター、屋内こども広場などを有する文化発信の施設となっています。また1階部分にスターバックスコーヒーが入りオシャレ度が増し増しになっています。
最後に大和を語る上で外せないのが、街の一大イベントとも言うべき神奈川大和阿波踊り。そのルーツは1977年、駅の北側にある新橋通りの商店会が、商店街の振興を目的として行われたのが始まりとされています。毎年7月末に行われ、各地域の阿波踊り連(※1)の踊りで街全体がぞめきます。本場徳島をはじめ阿波踊りが行われている地域は数多く存在しますが、関東を代表する高円寺、南越谷と並んで大和も関東三大阿波踊りのひとつにも数えられています。
(※1)阿波踊りを演じるチームのことを連(れん)と呼び、連の名称も「○○連」とつけられるものがほとんど。
まとめ
神奈川県央地区において、各地を結ぶジャンクションの役割を持つ大和駅は、乗り換え機能だけにとどまらず、新旧入り交じりながら活気のある商店。文化を創出するコミュニティの場。そして街をさらに活気づけるイベントなど、交通だけでなく人々の交流がありふれた街でした。
実は筆者、本場徳島に足を運ぶほどの阿波踊り好きなのですが、まだ大和の阿波踊りは観ることができておりません。。コロナが来年さらに落ち着いたら、再び一眼レフ片手にぞめきがあふれる大和の街を訪れたいとココロに誓うのでした。