横浜市北西部の内陸に位置し、豊かな自然も残る、横浜ズーラシアなどの魅力的な施設も名高い旭区。ベットタウンとしての歴史も長いエリアの玄関口として機能し続けてきたのがこの二俣川駅です。相鉄線の単独駅としては、西谷駅とともに分岐駅として数えられ、優等列車も例外なく当駅にはすべて停車する名実ともに主要駅にもなっています。
また当駅は、神奈川県にお住まいの方であれば、大多数の方が訪れるであろう重要なスポットも・・・?
その答えとともに街の様子を見ていきましょう。
相鉄線単独では最大の主要駅
二俣川駅は相鉄本線と、当駅を起点とするいずみ野線の接続・分岐駅、主要駅のひとつとなっています。数ある主要駅の中でも相鉄線単独の接続駅となるのは当駅と西谷駅の2駅ですが、2019年11月の相鉄新横浜線開業までは当駅が唯一の単独主要駅でした。
ホームは2面4線となっており、外側の1番線、4番線が本線、内側の2番線、3番線がいずみ野線の列車が発着します。
当駅の西側ですぐ両線ともカーブを描きながら分岐。本線はそのままさらに西へ進み、大和駅、海老名駅方面へ。いずみ野線は高架線へと上がり、本線をオーバーパスしながら進路を南へ変え、いずみ野駅、湘南台駅へと向かいます。
駅舎の方は相鉄のブランドコンセプトに則った黒に塗られた柱や、壁にはレンガが施されています。また改札フロアからは、駅ビルとなる商業施設・ジョイナステラスと直結しています。
主要駅ということもあってか特に壮大な造りになっており、南口を出てすぐの吹き抜け部分は黒の配色がモダンな雰囲気を演出しています。
改札口は1箇所のみのシンプルな導線で、出て左手側は南口。右手側は北口となります。
再開発で渋滞解消なるか?駅周辺の様子
北口はデッキ構造の歩道となっており、出て左手側は厚木街道を渡る歩道橋やタクシー乗り場、右手側はライフやアルコットのほうへと伸びます。また免許センター(後述)もあることから、朝の時間帯は双方向で人の流れが多い場所でもあります。
ライフの1階部分はバスのりばとなっており、羽田空港行きのリムジンバスや免許センター、三ツ境駅方面の路線バスが発着します。
北口のすぐ横を通る厚木街道(県道40号線)は、鶴ヶ峰駅付近から海老名駅までのほぼ全線にわたって相鉄線と並行する道路。当駅付近は片側2〜3車線の広い道路になっていますが、北へ300mほどの場所に保土ヶ谷バイパス・本村インターがあることから、慢性的な渋滞も発生しています。
また駅前のアルコットのある交差点からは、免許センターへと通ずる試験場通りも伸びており、こちらも日中時間帯に渋滞が発生しています。
一方の南口は、アップダウンのある丘陵地となりますが、駅前から伸びる自然公園通り沿いには西友などを中心に商業も栄えています。近年まで駅の再開発が行われ、ジョイナステラスを含むオフィスビルやタワーマンション等からなる複合施設COPRE二俣川(コプレ)が2018年に完成しました。また駅前ロータリーも整備されており、東戸塚駅などを結ぶ相鉄バスが発着します。
ロータリーの真下では現在も道路建設工事が進められており、鴨居上飯田線の一部として整備されるそうです。駅付近はトンネルでアンダーパスする構造になるそうで、厚木街道の混雑解消の切り札としても大いに期待できそうですね。
THE相鉄の街を支える商業施設
相鉄線の単独駅としては、最大規模を誇る二俣川駅を華やぐに相応しい商業施設が、駅直結のショッピングモールとなるJOINUS TERRACE 二俣川(ジョイナステラス)。南口側のジョイナステラス1、北口側を含む駅ビルとしても機能するジョイナステラス2から構成されています。ファッション系から飲食店までショップのジャンルも豊富で、スーパーも系列である相鉄ローゼンが入りますので、これなら横浜駅まで行かずとも用が事足りてしまうかも?
駅直結の施設はジョイナステラスだけに非ず!北口から直結するのが二俣川相鉄ライフ。地上5階建てのビルで1階部分が前述のバスターミナルとなっており、2〜4階の商業フロアはサービス系や飲食店が中心となるほか、旭区の行政サービスコーナーと、5階フロアは旭区民センター・サンハートが占めます。1990年のオープン以来長らく駅の商業を支えてきましたが、2023年3月24日をもって一旦閉館。夏頃のリニューアルオープンに向けて改装工事が行われるようです。
南口の自然公園通り沿いにある西友二俣川店は、店舗としてもわりかし広い面積を保有していますが、西友の他トレファクやコジマ×ビックカメラの店舗も入る複合型商業施設となっています。また西友の強みのひとつであろう24時間営業も行っていますので、遅くなった帰りの寄り道にもしっかり対応しています。
北口のデッキを進み、厚木街道を渡ったところで見えてくるアルコット二俣川も、様々な店舗が集まるショッピングモール。ドンキホーテをはじめ、ニトリやダイソーなど生活雑貨が中心となります。
さらに二俣川駅には、ここにしかないホットなお店があるのですが、せっかくなのでご紹介させてください。それは北口を出てすぐにある、相鉄のオリジナルグッズを取り揃えるSOTETSU GOODS STORE。相鉄の電車・バスにまつわるものや、イメージキャラクター「そうにゃん」のグッズなどを販売しており、ここでしか手に入らないレアアイテムも取り揃えています。
お店の入口付近には、公衆電話ボックスを思わせるような箱型の物体が置いてありますが・・・?
これは2019年まで活躍していた7000系車両の運転台。廃車発生品をこのような形で展示しています。7000系車両は全編成が惜しくも解体となり、車両は現存していないため、とても貴重な遺産となることでしょう。
思わず購入した駅名キーホルダー(350円)。二俣川駅とその後続いて取材で訪れた三ツ境駅を購入しました。(羽沢横浜国大駅は残念ながらありませんでした・・・)
神奈川県で唯一の免許センターがある街
「二俣川」と言ったら、神奈川県にお住まいの方ならとっさにとある場所をイメージするのではないでしょうか?そう、それこそがこの神奈川県運転免許センター。実は神奈川県にある免許センターはこの1箇所のみで、横浜・川崎にお住まいの方ももちろん、横須賀や厚木、小田原、箱根などにお住まいの方も運転免許取得試験や違反講習などは、例外なくすべてこの二俣川まで来て受けることになります。
そのため平日朝から夕方にかけて、駅から免許センターまでの道のりは常に人の流れが絶えることがありません。
駅からは免許センターまでバスも出ていますが、試験場通りを経由するため渋滞にハマる場合もあるので、アクセスは徒歩がおすすめです(約10分ほど)。アルコットの裏から伸びる商店街を直進し、突き当りを左に曲がって真っ直ぐ行くと試験場が見えてきます。道のりも簡単ですし、商店街には飲食店が多いので、帰りに立ち寄ってみるとおもしろそうです。
まとめ
県内唯一の運転免許センターがある街・二俣川。筆者も神奈川県出身ということで、免許取得も講習もすべてここまで来て受けておりました(笑)当時はまだJRとの直通などありませんでしたので、川崎からだと結構不便でした。今は川崎方面からはだいぶ利便性向上しているでしょう。
また驚いたのは、駅のリニューアルでだいぶ当時の印象からガラッと様変わりしていたことと、ジョイナステラスが想像以上に商業機能を備えているので、免許手続き以外でもふらっと寄り道したくなるような街だな〜と思いました。
今年の3月には東急との直通も始まり、より一層賑やかになるであろう二俣川。ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。