相模大野駅 ―相模原市を代表する、商業も盛んなターミナル駅―

相模大野駅 ―相模原市を代表する、商業も盛んなターミナル駅―

神奈川県
2022.09.01 2023.05.26
SAGAMI-ONO

神奈川県で横浜市、川崎市に次いで3番目の政令指定都市となっている相模原市。3つある行政区のうち南区の中心となるのがこの相模大野駅です。
小田急小田原線江ノ島線の分岐点となるため、同社を代表するターミナル駅となっており、快速急行以下の種別をはじめ一部のロマンスカーも停車。そのため駅舎も立派な駅ビルを有する構造となっています。
橋本駅などとともに相模原市内を代表する市街地であり、駅前は大型ショッピングセンターや商店街があるなど活気のある街である一方「相模女子大学 最寄駅」という副駅名がつけられ、文京の街のイメージも印象付けられています。
そんな相模大野駅の街並みを巡っていきたいと思います。

近未来をイメージさせる広大な駅舎とその周辺

2面4線のホームから階段を登ると、小田急単独の駅とは思えないそれはそれは広いコンコース。改札口は南北に2箇所あり、南側がメインとなります。
改札を抜けるとすぐに駅ビル・ステーションスクエアと直結。ガラス張りの立体空間に囲まれた広場はまさに近未来を思わせるよう。
また駅の南側には、小田急の車両基地・大野総合車両所があり、出入庫を兼ねて当駅を発着する列車も多数設定されています。

南側改札を出て右側が北口。大半の商業が集まり、駅前の商業施設はサンデッキと呼ばれるペデストリアンデッキで繋がっています。
デッキ下は交通広場となっており、タクシーやバスターミナルがあります。
またサンデッキの上では、夕方になるとよく若い方が路上ライブをしており、本厚木駅や海老名駅で活動していたことで知られるいきものがかりの初ライブはこの相模大野だったそうです。

一方反対の南口は、ロータリーを有するも規模はさほど大きくはなく、雑居ビルやマンションに囲まれているものの、北口と比べると大人しい印象。
バス停もありますが、上鶴間方面を循環する神奈中バスの1路線のみだそう。

都会チックな大型施設に商店街も負けていません!

トップバッターは駅ビルとなるステーションスクエア。A館・B館2つのビルからなり、B館には1〜2階フロアがあるものの、基本は改札階の3階〜9階までのショッピングセンターとなっています。おもなテナントとしてビックカメラOdakyu OXが入り、B館の7階から上はホテルセンチュリー相模大野の施設となっています。

北口へ出て左側に見えるボーノ相模大野は、タワーマンションと商業施設からなる複合施設。一帯の再開発事業の一環で2013年に開業しました。商業施設部分は3つの建物から構成され、一番大きなショッピングセンターにはスーパーライフが1階部分を占め、2階には食料品ゾーン・ボーノ食専館など、専門店が並びます。
ショッピングセンターの片隅に付随するノースモールには飲食店とパスポートセンター。デッキで繋がるサウスモールにはコンビニエンスストアや金融機関等のサービスや医療関連等が入り、2階部分に飲食店街・ボーノ横丁、3階には相模原市立市民・大学交流センター・
ユニコムプラザさがみはらなどがあります。

相模大野モアーズ

一方の北口右手側に堂々とそびえる相模大野モアーズ。開業は1992年と駅前の施設の中では古株。各サービスや飲食店なども然ることながら、1〜3階はアミューズメントに特化しているのも特徴です。

相模大野ロビーファイブ

北口から西に伸びるキャンパス通りを進み、相模女子大へと続く道沿いにあるオープンモールは相模大野ロビーファイブトレファクスタイル業務スーパーなどの店舗が入るほか、クリニックやサービスの種類が豊富なのも特徴です。

スーパー三和 相模大野店

南口唯一の商業施設となるスーパー三和。建物自体は大きいですが、店舗フロアは1階のみで、2〜4階は駐車場、5階がインドアテニススクールとなっています。

相模大野コリドー街

北口正面のエスカレーターを下るとすぐ目の前に伸びるアーケードは相模大野コリドー街。かつては伊勢丹や相模大野中央公園を結ぶメインストリートの役目を果たしましたが、伊勢丹の閉店以降人通りは減ったものの、街路樹やアーケードを活かしておしゃれなオープンカフェが設置されていました。

大野銀座商店街

ボーノから西へ500mに渡って伸びる大野銀座商店街は、元々駅前を起点としていましたが、ボーノの建設に伴い一部が立ち退きとなったものの、ボーノを介して駅からの導線は確保。現在も活気ある商店街として街を盛り上げています。

街を支えた商業の遺構と、隣接する注目スポット

伊勢丹相模原店跡地

コリドー街を北へ進むと、デッキへと繋がる階段が見えてくるのですが、いざ上ってもその先は行き止まり。工事をしている場所がありますが、これはかつてこの場所にあった伊勢丹相模原店跡地。1990年の開業以来相模大野の商業の中心をになっていましたが、2019年9月30日をもって惜しまれつつも閉店。1990年代に放映されたドラマシリーズ(※1)のロケ地としても有名でした。
百貨店としての店舗は無くなったものの、伊勢丹自体はボーノのいちテナントとして営業しています。

(※1)=「デパート!夏物語」「デパート!秋物語」「夏!デパート物語」という新人デパートマンの奮闘を描いたドラマ。

相模女子大学グリーンホール

伊勢丹跡地の奥に見えるのが相模女子大学グリーンホール市民が芸術文化を鑑賞し、文化活動を行う場を提供し、もって文化の香りあふれる都市の創造に寄与するために設置された施設だそうで、著名なアーティストの公演も多々行われています。駅からの導線は伊勢丹を介して行われていたのですが、跡地の工事によって寸断されてしまい迂回をする必要があるので少々不便になっています。

グリーンホールの横に広がる大きな公園は相模大野中央公園。「花と水と緑」がテーマの都市公園で、広大な芝生広場のほか、小川や噴水などの水場や児童遊具が揃っており、周辺住民の憩いの場となっています。毎年もんじぇ祭りという音楽とグルメのフェスが行われているようですが、近年は新型コロナウィルス感染症の影響で2022年は中止を余儀なくされています。収束の見通しが立たず先の見えない問題ではありますが、祭りは地域を活性化させる大きな力を持っていると思いますので、またいつか必ず復活を遂げてほしいと思います。

まとめ

相模原市を代表する市街地として、新旧の入れ替えはありながらも商業が盛んな街であり続ける相模大野。筆者自身もよく高校時代に訪れていた場所で、伊勢丹やステーションスクエアにはよく足を運んでいました。そんな伊勢丹が閉店し、取り壊しが行われていた光景はやはり感慨深いものがありつつも、また新たな街が造られることへの期待感もあります。こうした街の変化が見られるのも、このサイトをやっていてよかったと思える醍醐味でもあります。この気持ちをモチベーションとして保ちながら、これからもいろんな駅を見ていきたいと改めて思います。

 

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