松戸駅周辺 ―商業・観光・歴史の詰まった、よくばりな宿場町―

松戸駅周辺 ―商業・観光・歴史の詰まった、よくばりな宿場町―

千葉県
2022.02.05 2022.12.10
MATSUDO

千葉県北西部を代表する都市のひとつである松戸市。千葉市、船橋市についで第3位の人口数を誇り、その中心となるのがこの松戸駅JR常磐線新京成線が乗り入れるターミナル駅で、常磐線においては上野駅から数えると千葉県最初の駅となるため、玄関口としての機能も備えます。駅の周辺は市の中心らしい商業ビルや高層マンションなどが立ち並ぶ都会としての佇まいですが、いざ歩いてみると歴史的な背景が伺える貴重なスポットや魅力あるコンテンツがぎっしり詰まった街でした。ここ松戸で形成されてきた文化の形跡を辿っていきたいと思います。

バスターミナルや商店も充実した、駅前の様子

松戸駅東口

松戸駅のエントランスは2つあり、こちらは新京成側にある東口。双方ともにペデストリアンデッキで繋がれていますが、東口周辺は雑居ビルが立ち並んでいて少し凝縮されているような印象。駅を出て目の前にはプラーレ(後述)がそびえ立つように建っています。

松戸駅東口バス乗り場

こちらは東口側にあるバスターミナル。松戸新京成バスの路線が発着しています。場所が少々わかりにくい場所にあるのでご説明すると、東口を出たらすぐ階段を下り、少し直進します。右手側に三井住友銀行がありますので、その交差路を右へ少し行くと、バス停が見えてきます。またタクシー乗り場は階段を下りた手前側。ペデストリアンデッキの直下にありますので、ご利用の際はご注意ください。

松戸駅西口

一方の西口もペデストリアンデッキと繋がっていますが、東口とは対象的に広々とした空間が展開されています。また駅ビルとしてアトレ松戸と直結しています。

松戸駅西口バスターミナル

デッキの下はバスロータリーとなっていて、京成バスと東武バスが発着します。

きてみてまつど通り

西口周辺はロータリー正面の駅前大通りを軸に、多数の商店街が広がります。西口を出て左手のエスカレーターを下るとすぐにあるきてみてまつど通りは並木と街灯がおしゃれな雰囲気です。

松戸駅改良工事中のお知らせ

また駅の南側では現在改良工事が行われており、駅舎と駅ビルの増築が行われています。完成は2027年予定とまだ先ですが、イメージを見る限りは開放的なコンコースとなるようで、完成が今から待ち遠しいですね。

千葉県第三の街・松戸の中心を支える商業施設

松戸駅は人口第3位の都市の中心というだけあって、商業施設も豊富。代表的な施設を見ていきます。

アトレ松戸

松戸駅と直結する駅ビルは、JR東日本直系のアトレ松戸。地上8階建てのビルに女性向けファッション店舗がメインとなっており、8階にある屋上庭園は松戸の街を見下ろせる展望スポット。また当ビル内にスターバックスとタリーズの2店舗が入りますので、お天気のいい日はドリンク片手に日向ぼっこするのも気持ちよさそうです。

ピアザ松戸

所変わって東口を出てすぐ右手側にあるのがニュートーキョーセブンビル。入居テナントの看板が一気に目に飛び込んでくるのが圧巻ですが、昭和の時代から松戸駅前の商業を担ってきた立役者。レトロな佇まいを残しつつ、令和の時代となってもなお駅前をもり立てます。

プラーレ松戸

一方東口正面に堂々と佇むのがプラーレ松戸イトーヨーカドー松戸店を核店舗とした地上7階建ての施設ですが、このプラーレの裏手側、実は高台となっていて、5階部分に裏口がある仕組みとなっています。そのため建物の横は長い階段や上り坂があるなど珍しい構造になっています。

キテミテマツド

再度西口へ戻ります。デッキ左手のエスカレーターを下り、先述のきてみてまつど通りを直進すると目の前に見えるのがキテミテマツド。地下1階・地上11階の松戸界隈では最大規模となる複合施設ですが、元々は伊勢丹松戸店として営業していたものの2018年に閉店。その跡地を利用してオープンしました。伊勢丹時代の百貨店業態とは打って変わり、地下フロアを今話題のスーパー・ロピアが占め、ニトリやノジマなどといった専門店や各種サービス店舗が入るなど、カジュアルな店舗展開をしています。

ダイエー松戸西口店

最後にご紹介するのは、西口の高砂通りを北側に進んだ場所にあるダイエー松戸西口店。こちらも開店が1977年と途中業態に変化はあったものの40年以上この地で営業を続ける老舗店舗のひとつです。核店舗のイオンフードスタイルは地下フロアのみとなっており、1階〜6階までの地上階にはフィットネスクラブや専門店が多くを占めます。

周辺のお散歩に最適!憩いのスポット

ビルが所狭しと立ち並ぶ駅前と打って変わって、少し歩くとのどかな場所も多数点在。プラっと歩くに最適な憩いのスポットをご紹介します。

江戸川の河川敷

松戸と言ったらなんといっても駅の西側を流れる江戸川。ここがちょうど県境となっていて、川を渡るとすぐ東京都。古くから矢切の渡しが有名で長きに渡って水戸と江戸を結ぶ玄関口の役割を果たしています。土手は整備されており、お散歩はもちろんウォーキングやランニング、サイクリングにも最適です。

 

春雨橋親水広場

また江戸川の矢切付近を河口とし、松戸周辺を縫うように坂川が流れます。キテミテマツドのちょうど裏手には春雨橋親水広場があり、子供たちの遊び場としてはもちろん毎年3月に行われる河津桜まつりでは会場としても使われています。

松戸中央公園

こちらは東口のプラーレ真裏、5階部分の裏口すぐそばにある松戸中央公園。広場や遊歩道が整備された一見よくある都会の公園なのですが、実は旧陸軍工兵学校の跡地。レンガ造りの立派な正門は工兵学校の正門でもあり、大正時代に造られたもの。市指定有形文化財にも登録されている貴重な建造物のひとつです。

歴史探訪、観光要素も満載!要注目のみどころ

是より御料松戸宿の碑

江戸川の河川敷に面したここ松戸は、水戸街道の宿場町・松戸宿として古くから栄えてきた街。水戸街道の名称は駅の東側を通る国道6号線に譲りましたが、本来は西口を出てすぐの県道5号線が水戸街道の旧道(旧水戸街道)で、沿道にはかつての宿場町を思わせる趣ある建物がちらほら。また周辺にも旧跡として残るスポットが点在するので、ちょっとした歴史探訪も楽しめます。

戸定邸

水戸街道の要所ということも相まってか、江戸幕府の将軍家・徳川家とのゆかりも深い松戸。東口から約15分ほどの場所にある戸定邸は、幕府最後となる第十五代将軍・徳川慶喜の実弟である徳川昭武氏が余生を過ごした邸宅で、徳川家の住居として一般公開されている唯一の施設。明治時代の貴重な建築物をこの目で見れるのはもちろん、高台にあることで庭園からは眺望が楽しめる景勝地となっています。当施設を含めた一帯は戸定が丘歴史公園として開放されており、付帯する戸定歴史館は徳川家にまつわる資料を展示。展望台や梅園もあるので、のどかな日本の風景を感じながらお散歩もできる観光スポットとなっています。

松戸探検隊ひみつ堂

そんな歴史と観光が楽しめる松戸はみどころが満載!駅から旧水戸街道を南へ5分ほどいった場所にある松戸探検隊ひみつ堂観光案内所となっている他、徳川昭武が愉しんだと言われるコーヒーの販売なども行っています。松戸観光を楽しむならぜひ立ち寄りたいスポットです。

松戸の歴史やみどころは別記事にてまとめてますので、併せてぜひご覧ください!

まとめ

古くから交通の要所として機能し、その歴史を紡いできた松戸。筆者は千葉県在住ながら今回はじめて下車した駅でした。それまでは千葉県のいち都市として機能してるベットタウンと認識していたのですが、調べれば調べるほど興味深い要素がたくさんあることに気づき、松戸駅以外の市内にある駅もさらに調べてみたいと思うようになりました。そしてすっかり松戸駅のファンになってしまいました(笑)(ここ最近筆者の新京成ブームにも関連していますが)そのため今回えきレポだけではご紹介しきれないボリュームになってしまいましたので、ぜひぜひみどころと松戸宿のえきマガも一緒にご覧になってみてください!

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