JR総武線は東京と千葉を結ぶ大動脈のひとつ。東京23区の東側、墨田区や葛飾区、江戸川区を通り、江戸川の鉄橋を越えると千葉県へと入っていきます。その千葉県最初の駅となるのが、今回ご紹介する市川駅です。駅名と同じく千葉県市川市にある駅で、実は市の中心は当駅ではなく、1つお隣の本八幡駅(快速列車は通過)となっています。とはいえ駅前はそれなりに栄えた印象ではありますが、その他おもしろ要素満載のスポットはあるのでしょうか?早速調査していきたいとおもいます。
快速停車駅らしい、栄えた駅前
市川駅はJR総武線の各駅停車、快速列車がともに停車する主要駅。駅のホームも複々線ならではの各線1面2線のホームではありますが、快速線は外側にそれぞれ通過線も設けられ、当駅では特急列車の通過待ちも行われています。
駅のエントランスは大きく分けて2つ。各駅停車側の南口は、3層ものペデストリアンデッキに高層ビルに囲まれたロータリーを有する近代的で真新しい印象。こちらは2000年代に再開発が行われ、雑居ビルや商店が並んでいた駅前は一気に様相を変えていきました。ちなみに駅前にはかつて市川CLUB GIOというライブハウスがあったのですが、GLAYやL’Arc~en~Cielなどの今では超有名なバンドがライブを行っていました。さらにはなんと、GLAYの運命を変えたと言われている、X JAPANのYOSHIKI氏との出会いはなんと市川CLUB GIOだったのだそうです!そんな伝説的なライブハウスも、再開発事業で残念ながら閉店となりました。
もう一方快速線寄りの北口は、広いロータリーを有するターミナル然な構造。ダイエーやヤマザキなどの商業ビルもあれば商店街もあるとても賑わいがある街です。ロータリーを出るとすぐ国道14号(京葉道路)へと出るので、こちらも東京と千葉を結ぶ幹線の役割を持ちます。バスは当駅の北側にある松戸駅や東松戸駅、北国分駅などを結ぶ路線と、周辺に学校も多いためか聖徳学園、市川学園などの通学路線も多く発着しています。
また北口から600mほど北へ行った場所には、京成本線の市川真間駅もあります。
しっかりチェック!駅前の商業施設
まずは駅の高架下を華やぐJR東日本系列のシャポー市川。当然ながら駅とも直結しており、1階と地下1階の2フロアで構成されています。食料品スーパーも成城石井や紀伊国屋(いずれもグロサリー)とワイズマートが入ります。その他生鮮食品売り場も豊富にあるので、駅から出ずにお買い物も済ませることも可能です。
北口を出てすぐに建つビルが市川ビル。ダイエー市川店(イオンフードスタイル)が各店舗となりますが、今でこそ数少なくなったダイエー店舗もこちらは元気に営業中。さらにはこの店舗、地上12階・地下2階とスーパーの中でもかなり大規模な売り場面積を有します。
その向かい側、ヤマザキの看板が特に目立つサンプラザ35ビル。ご覧のとおり山崎製パンが所有する商業ビルですが、中でも珍しい当社のスーパー・スーパーヤマザキの店舗が入ります。またコンビニ事業でもあるデイリーヤマザキの本社がこちらになります。
市川駅は商業ビルもあれば商店街も。ダイエーの横裏手に伸びるアイアイロード市川は北口を代表する商店街。駅前ということもあり終日賑わっています。
サンプラザ35ビル横を通る市川駅前西通り商店会。感謝祭などのイベントやSNS運用も積極的に行っており、活気のある商店街です。
アイアイロードと14号に面する昭和な匂いのするビルに入るのが、オリンピック市川店。食料品売場はないものの、日用品や雑貨など生活必需品を置くディスカウントストアとなっています。
数こそ北口には及ばないものの、南口から至近距離にあるのがスーパーオオゼキ市川店。ペデストリアンデッキの1階部分、アイ・リンクタウン側の奥の方にあるので、少しわかりにくい立地ですが、駅を出て1階部分に降りてひたすら右!と覚えておいてください。
再開発で生まれた日本夜景遺産
市川駅南口一帯はアイ・リンクタウンいちかわという複合施設で構成されており、そのシンボルとして2棟の高層マンションが並びます。東京寄りにあるタワーマンションはなんと屋上部分(45階)がアイ・リンクタウン展望施設として無料開放されており、市川市一帯はもちろん東京の景色を一望することができます。
東京の江戸川や葛飾といった街の向こうには、当然のごとく東京スカイツリーも見えます。そして市川と言ったらやはり江戸川。土手沿いののどかな雰囲気や、県境となるJR総武線や京成の鉄橋、市川橋もよく見渡せます。
また当施設は22:00まで入場可能なことから、夜景を鑑賞することもでき、日本夜景遺産にも認定されています。当然ながらものすごくキレイですが、展望デッキは風も強く、三脚の使用が禁止のため、一眼レフでキレイに夜景を撮るのはかなりの腕前が必要となります。またこんなにキレイなのですから、カップルも非常に多く、夜景を撮りに来たオジさん(筆者)はとても気まずかったのは言うまでもありません。
参道なのにどこかおしゃれな大門通り
市川駅の北側には、真間山弘法寺というお寺があり、14号線沿いには参道となる大門通りが伸びています。駅からは少し離れているにも関わらず、それなりに人通りを目にします。シャッターが目立つ建物も多いですが、パン屋さんやカフェなどもちらほらあり、おしゃれな雰囲気も出ています。またかつてジャズの街として賑わっていたそうで、通り沿いにはジャズ喫茶などもあったそうです。
まとめ
快速停車駅で市名を冠する駅なのに、市の中心じゃない。けどちゃんと市街地になってて、夜景も楽しめる、昔から今も形は変えどおしゃれなお寺の参道がある市川駅。なんだかいろいろと忙しくちぐはぐ感たっぷりではありましたが、街の中心でなくともその発展は十分すぎるくらいと言っていいでしょう。
千葉市在住の筆者は基本当駅は通過駅となるので、これまであまり降りたことのない駅でした。しかしこの駅がないと成田エクスプレスは高速走行ができません。GLAYとYOSHIKI氏も出会っていません。夜景遺産もなかったかもしれません。
市の中心でなくたって、とっても重要な役割を果たしてきた駅なのですから、これからもすっごく大事な駅であることはきっと間違いないでしょう。