千葉県を代表する都市の1つで、千葉市に次ぐ県内人口第2位を誇る船橋市。その中心を担うのが、今回ご紹介する船橋駅です。JR総武線と東武アーバンパークライン(野田線)が乗り入れ、南に100mほど離れた場所には京成本線・京成船橋駅があります。こちらも全種別の列車が停車し、各線ともに主要駅として機能しています。当然駅前も、駅周辺も商業施設が集まる市街地となり、船橋市役所も当駅が最寄りとなるので名実ともに市の中心となっています。
その一方で、駅から少し離れると住宅街となるほか、江戸時代から宿場町として栄えた長い歴史があり、その面影を見れる貴重なスポットも点在します。そんな船橋駅周辺を練り歩いていきます。
さすがの市街地、船橋駅前を見る
船橋駅のエントランスはおもに北と南の2箇所。北口は東武百貨店を中心に、駅前にペデストリアンデッキとロータリーを有するターミナル然の構造。バスターミナルは船橋新京成バスのターミナルとなり、拠点としては同社最大。三咲駅や鎌ヶ谷大仏駅など、新京成線沿線へのアクセス路線を担います。
こちらは駅前の大通り。雑居ビルやマンションも立ち並びますが、少し路地に入ると住宅街となっています。
ここから北西方向に約1.5kmほど行くと、東葉高速鉄道線・東海神駅があります。
一方の南口はデッキとFACEビルを介して京成船橋駅と直結。かつて京成船橋駅は地上線だったのですが、ちょうどこの写真のあたりには踏切があり、慢性的な渋滞となっていた他、待ちきれない歩行者が踏切をくぐり抜けたりの危険行為が度々ニュース番組で取り上げられるなど問題となっていました。2006年に高架化が完成して以降は街並もだいぶ雰囲気が変わりました。
大型店舗の中に日本一も!?駅周辺の商業施設
今度は周辺を彩る商業施設を見ていきます。
こちら北口のランドマークとなる東武百貨店船橋店。東武アーバンパークラインの駅舎も兼ね、ビックカメラの店舗も入ります。
ペデストリアンデッキを介して東武百貨店の向かい側にあるのがイトーヨーカドー船橋店。東館・西館の2棟で形成され、東館はファッションフロアがメイン。西館は雑貨店や飲食店が入ります。地下部分はつながっており、全体が食品売り場となっています。

一方の南口側で駅と直結するのがシャポー船橋。総武線ホームの高架下を占める本館と駅ビルの南館から構成され、北口の東武百貨店とともに駅前のシンボルとなっています。
南口のペデストリアンデッキと京成船橋駅を結ぶ役割も持つ複合ビルFACE船橋。市役所窓口センターやパスポートセンターなどの行政施設が多く入り市民の窓口として機能する他、東武百貨店にもあるビックカメラが(店舗展開はこちらが先)、双方で2店舗体制で展開されています。船橋駅と京成船橋駅との連絡通路を兼ねていることから、終日人通りが多いことも特徴的です。
京成船橋駅の高架下に展開されるのがネクスト船橋。飲食店を中心とした店舗が多く入ります。
京成船橋駅の高架を越えてすぐ右手側のダイソーギガ船橋は、なんと全国に数あるダイソーの中でも日本一の売り場面積を誇る超大型店!地下1階から6階までビル1棟を売り場で占めます。何かと便利なアイテムを販売するダイソーですが、いざ店舗へ行くと商品が売られていなかったり・・・ということが度々あったり。しかし日本一のここギガ船橋に来れば欲しかったあのアイテムが手に入るかもしれません。
ここは見てほしい!レトロな街並と宿場町の跡
近代的なターミナルへと発展した船橋駅周辺ですが、そんなイメージとは裏腹に昔ながらの光景も見られます。
京成船橋駅から少し外れの路地裏に見えるのは、昔ながらの風情が漂う仲通り商店街。
居酒屋をメインとした飲食店が所狭しと多く立ち並び、昼間はシャッターが目立つものの、夜になると一気に明るい光を放つ街へと変貌します。駅前の雰囲気は近代的に変わりつつも、こういったレトロの良さも残る街はとても愛着を感じます。
また船橋駅から600メートルほど南へ進むと、本町通りと交差しますが、このエリアは旧成田街道の船橋宿として栄えた要所のひとつ。今でこそマンションや住宅が並びますが、ところどころに歴史を感じさせる建物が現存しています。その代表例として上げられるのがこちらの森田呉服店。創業140年の老舗呉服店で着物をはじめ和装小物や手ぬぐいなどを販売しています。
その道路向かい側にも立派な瓦屋根の建物が。こちらはひろせ直船堂という江戸時代から続く老舗和菓子店。おせんべいやおまんじゅう、羊羹などがリーズナブルな価格で販売。船橋界隈の名物のひとつでもあり、船橋市の景観重要建造物にも指定されています。
森田呉服店から北上した路地裏にあるのが、店先に暖簾や提灯を飾るおしゃれな染物屋さんのつるや伊藤。こちらも江戸時代創業の老舗で、アンデルセン公園で販売しているおしゃれな手ぬぐいはこちらで製造されているそうです。

また江戸から続く宿場町ということで、界隈には神社が多く点在しています。写真左の船橋御殿跡(東照宮)は徳川家康の鷹狩の際に建造された御殿の跡地で、御殿が廃止となった後、船橋大神宮の宮司富氏に与えられ、富氏がその跡地に建てたのがこの東照宮だそう。ちなみにこの東照宮は、日本一小さい東照宮としても知られています。
まとめ
数百年もの間交通の要衝として発展し続ける船橋。住環境もさることながら、昭和、大正・・・江戸と世代を超えた趣ある風情が、この街ひとつで一気に味わえる、歴史博物館のような街でした。
近年再開発も進められる中で、こういった歴史ある場所は、令和となった今ではとても貴重なものとなっていくでしょう。形は変えつつも、後世にも伝えられる文化としてぜひ残してほしいコンテンツです。リアルで体現できるタイムトラベルを、ここ船橋で体験してみてはいかがでしょうか?