千葉寺駅周辺 ―バブル期に翻弄されたニュータウンのいま―

千葉寺駅周辺 ―バブル期に翻弄されたニュータウンのいま―

千葉県
2020.05.10 2022.06.18
CHIBADERA

千葉県千葉市は県では唯一の政令指定都市であり、最大の都市でもあります。行政区は6区あり、その中でも人口最多を誇るのが中央区。そのほぼ中央、ど真ん中に位置するのが今回ご紹介する千葉寺駅です。京成千原線(開業当初は千葉急行電鉄)の駅として1992年に開業。周辺は路線建設と同時に開発が進められた経緯から、割とあたらしめの宅地が広がり、バブル後のニュータウンそのものと言えます。しかし駅から少し離れると、ちょっとした懐かしい風景や、自然を満喫できる都市型公園などみどころもちらほら。今回はそんな千葉寺駅の周辺を見ていきましょう。

ニュータウンらしいモダンな駅前の様子

千葉寺駅前

京成千葉線・千葉中央駅からちはら台方面へ向かい、1つめの駅となるのが千葉寺駅。複線だった線路は当駅に着くまでには単線となり、よりローカルな路線へと変わります。千葉寺駅は立派な高架駅に複線分の用地が確保されているものの、現状は片方のホームのみで営業されています。

駅を出るとロータリーがあり、その周りを商店などが囲います。ロータリーの横はすぐ大通りに面しており、歩道も広めに整備されていたり、ニュータウンらしい街並みが形成されています。

ロータリーからはもちろんバスも発着しており、蘇我駅や駅の北にある千葉大学病院を結ぶ路線と、アリオ蘇我までの無料シャトルバスが発着しています。ロータリーを左手に路地をまっすぐ進んだところに千葉寺駅入口バス停があり、そちらから千葉駅方面へ行くバスも出ています。いずれも本数は多くありませんが、徒歩で15〜20分ほどかかる蘇我駅や、千原線の本数・運賃事情も相まって千葉駅へのアクセス補完も担っているので、併せて利用するのも手段のひとつです。

ニュータウンと懐かしさもある駅周辺

駅前の一帯は前述のとおり、広めに整備された大通りに面しており、商店や飲食店も多く立ち並びます。大通りを少し逸れるとやはりマンションや宅地が並び、ニュータウンらしい風景が広がります。

一方で駅から北西へ行くと、ニュータウン側よりは少し古めの家屋や、雑木林が広がる箇所も。少し進むと末広街道が通っているので、そちらも飲食店やコンビニが点在しています。

使い方次第で幅が広がる、周辺のお買い物スポット

リブレ京成千葉寺店

バブル期の波に乗り切れなかったニュータウン。とはいえ住民の暮らしに必要な施設は揃っていました。駅の南側を線路と沿うように建つのがリブレ京成千葉寺店。周辺では唯一のスーパーとなり、施設内にはツタヤ、スシロー、マクドナルドも入ります。開店は10:00と遅めなので、通勤前の買い物はコンビニが良いでしょう。また定期的に焼き鳥の露店が出店しており、よく行列ができています。

マツモトキヨシ千葉寺店

駅前大通りを渡ってすぐマツモトキヨシ千葉寺店があります。こちらは深夜0時までとわりかし遅くまで営業しています。

その他当駅から1kmほど南には蘇我駅があり、周辺にたくさんスーパーなどありますし、アリオ蘇我まで無料シャトルバスも出ていますので、併せて利用するとよいでしょう。

市内有数の憩いの場 青葉の森公園

青葉の森公園

駅前の大通りを北へ10分ほど進むと、右手に見えてくる大きな公園は青葉の森公園。東京ディズニーランドと同等の敷地面積を誇る都市公園で、農林水産省畜産試験場の跡地を利用して造られました。園内はたくさんの樹木や原っぱが広がるネイチャーゾーン、芝生広場や遊具、渓流、庭園などが集まるレクリエーションゾーンがあり、週末になるとレジャーを楽しむ多くの人で賑わいます。

青葉の森公園 スポーツゾーン

園の東側はスポーツゾーンとなり、野球場や競技場、テニスコートも併設され、野球や陸上競技の公式試合なども行われています。

青葉の森公園 カルチャーゾーン

西側にはカルチャーゾーンとして文化に特化したコンテンツが集まり、芸術文化ホール千葉県立中央博物館が併設。西側端にある生態園では房総の自然を再現し、生物や植物の生態を展示しています。

駅名の由来になった歴史ある寺院 千葉寺

千葉寺

千葉寺駅という駅名のとおり、当駅の500m北には千葉寺というお寺があります。寺院としては市内最古のお寺で、和銅2(709)年に創建されました。本堂の横にはそれは大きな大きな銀杏の木がそびえますが、その高さは30m。鎌倉の鶴岡八幡宮のイチョウよりも大きいとされています。また仁王門を入ってすぐ右手には鐘楼があり、年明け元旦には除夜の鐘の音を響かせます。

まとめ

昭和の時代から新線建設によって開発が行われ、世は平成となり念願の路線開業、ニュータウン開発がされたものの時はバブル期の終わり。その代償として第三セクター鉄道の解散、運賃高額問題などに見舞われ、時代に翻弄されてきた街・千葉寺。それから30年の時が経ちましたが、それでも街は衰えることなく、古来からの文化も残しつつ進化を続けていました。これには駅としての進化というよりも、市街地からもさほど離れておらず、交通機関も潤沢にあることが大きな要因かもしれません。千原線の高額問題は当サイトでも度々取り上げていますが、千葉寺駅もこれだけのインフラが揃っている街ですので、高額問題の解消と複線化に少しでも進展があることを願って、沿線の今後に注目していきたいと思います。

 

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