流山おおたかの森駅周辺 ―千葉のニコタマは、環境も守るエモい街―

流山おおたかの森駅周辺 ―千葉のニコタマは、環境も守るエモい街―

千葉県
2021.08.01 2023.09.23
NAGAREYAMA-OTAKANOMORI

千葉県北西部に位置する流山市。西側には江戸川が流れ、北部にはその東側を流れる利根川をつなぐ利根運河を有することから、古くより水運が栄え、白みりんの産地としても知られています。
市内では古くより東武アーバンパークライン(野田線)を南北に縦断していますが、2006年につくばエクスプレスの開通によって、両線の接続駅として同年開業したのが、ここでご紹介する流山おおたかの森駅です。
当駅の開業以降宅地開発が一気に加速し、今では「千葉の二子玉川(ニコタマ)」とも呼ばれる街の魅力に迫りたいと思います。

全方位型の導線 利便性抜群の駅を徹底解剖!

東武アーバンパークライン(野田線)駅舎
東武アーバンパークライン(野田線)改札口
東武アーバンパークライン(野田線)駅構内
東武アーバンパークライン(野田線)ホーム
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東武アーバンパークライン(野田線)は地上線に2面2線の対向式ホームとなっており、その上を橋上駅舎が跨ぎます。当駅は急行列車も停車する他、夜間に運転される特急アーバンパークライナーが停車します。

つくばエクスプレス 西口駅舎
つくばエクスプレス 改札口
つくばエクスプレス ホーム
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一方のつくばエクスプレス(TX)は、東武線のさらに上を跨ぐような高架線となっています。ホームは2面4線構造となっており、朝ラッシュ時を中心に緩急接続が行われています。そのためTXにおいても普通から快速まで全種別の列車が停車します。

流山おおたかの森駅 改札階の案内板
駅の案内板

野田線とTXで交差する構造となっている当駅は中央部分に連絡通路が設けられており、改札も両線で同フロアでの乗換が可能。駅の出入口も東西南北4方向に設けられているので、自由度の高い導線が確保されています。

流山おおたかの森駅東口

東口は東武の橋上駅舎に面したロータリーがあります。
ロータリーからは東武バス・京成バスが発着しており、柏の葉キャンパス駅や江戸川台駅など、鉄道路線の駅間を結ぶ地域輸送に特化した路線が多く出ています。

流山おおたかの森駅西口

西口も同じくロータリーを有します。バス路線は東口より多く、おもに流山市街や南柏駅などへ向かう路線と、羽田・成田の両空港へのリムジンバスもこちらから発着します。

流山おおたかの森駅南口

大きな遊歩道と、地域最大の商業施設をを有するのは南口。おおたかの森S・C(後述)を始めとした施設が並び、芝生や木々に囲まれた遊歩道は歩くだけでゆとりとワクワクを与えてくれます。

流山おおたかの森駅北口

北口は「ホテル ルミエール グランデ 流山おおたかの森」と「スターツおおたかの森ホール」に直結。低層のテナントビルや小規模店舗、新築マンションのモデルルームなどが立ち並びます。

開発が著しい、駅周辺の様子

流山おおたかの森駅周辺のマンション

駅を少し離れると、このような高層マンションが所狭しと立ち並びます。

流山おおたかの森駅周辺の道路

周辺の道路も、ニュータウンならではの2車線以上の広い道路。歩道も広めに取られており、安全面への配慮もなされていますね。

流山おおたかの森駅周辺の住宅街

まず筆者がこの地に降り立って思ったのは、マンションの多さでした。一区画ある毎に広敷地の分譲マンションがあるような印象と、賃貸マンションもそれなりに高層のものが多いからなのでしょうか?
これまでにもいくつもニュータウンを回ってきていますが、ここまで多いのも珍しいと思いました。
流山市は子育て支援に力を入れる自治体として近年注目されていますが、子育て世代の受け入れを視野に入れた、人口増加への考慮がなされていったのでしょう。

充実に充実を重ねた、周辺の商業施設

おおたかの森S.C
おおたかの森S.C 店内の様子
1階に入る食品館イトーヨーカドー
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南口を出て左側の大きな建物は、エリア最大規模を誇るショッピングセンターおおたかの森S・C。こちらは本館。全体を通して専門店がテナントとして入居していますが、核店舗として「タカシマヤフードメゾン」や「イトーヨーカドー食品館」、「ロフト」、周辺唯一のシネコン「TOHOシネマズ」も入るなど、業態の数も多いです。

また流山市から「グリーンチェーン認定」を受けており、施設内の至るところに木々が植えられ「緑」をコンセプトとした、おおたかの森の名にふさわしい施設となっています。

おおたかの森S・C ANNEX 1

駅前の本館の他、家電量販店やスポーツ用品店の入るANNEX 1

おおたかの森S・C FLAPS

駅からも見えるコンクリート打ちっぱなしのモダンな建物が印象的なFLAPS

こかげテラス

TXの秋葉原方高架下に展開するこかげテラス

アゼリアテラス

西口を出てすぐの、ワークとライフをテーマとした、オフィス中心の複合施設アゼリアテラス

ハナミズキテラス

学習塾やクリニックなど、サービス・カルチャー系の店舗中心のハナミズキテラス

おおたかの森S.C ANNEX2

スーパー・角上生鮮市場やニトリ・セリアなど日用品を中心に集まるANNEX 2など、駅周辺の多くを占める巨大ショッピングセンターを形成しています。

TXグランドアベニューおおたかの森

改札フロアから直結しているTXグランドアベニューおおたかの森。TXの高架下にフードコートを中心とした店舗が展開されています。

ライフガーデン流山おおたかの森

東口唯一の商業施設となるライフガーデン流山おおたかの森。飲食店が3店舗入る他に、学習塾や医療系施設、保育所を含めた子育て支援施設など、生活に特化したサービスが充実しています。

SAKURA TERRACE

西口の一角に突如として現れたモダンデザインが印象的なSAKURA TERRACE。ヨガスタジオやゴルフ教室、ヘアサロンなどといった生活系の店舗が入ります。専門店が入居することの多い周辺施設の中ではかなり特異な施設といえるでしょう。

コトエ
コトエ
コトエ 飲食棟
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駅から西に200mほどの場所に、2022年4月に新たなショッピングモール・COTOE(コトエ)流山おおたかの森が開業。スーパー・ロピアや家電量販店のコジマ×ビックカメラを核とした、おおたかの森S.Cに次ぐ大型施設となっています。

マルエツ 流山おおたかの森店

また大型の商業施設の他、東口から300mほど北に位置する場所にマルエツ 流山おおたかの森店

ベルク 流山おおたかの森店

コトエの斜向かいにはベルク 流山おおたかの森店と、スーパーも充実しています。

住むからには注目したい、周辺の憩いのスポット

十太夫近隣公園

駅から北へ10分ほど歩いたところにある十太夫近隣公園。公園の外周を遊歩道が囲い、その内側に遊具や広場があります。当然ボール遊びなどは注意が必要ですが、広めに面積が取られているので、安心して子どもたちを遊ばせることができそうです。トイレもしっかり完備されています。

大堀川

当駅から北の地点に源流がある大堀川。柏を抜けて手賀沼へと続く河川ですが、水源はここ流山おおたかの森にあるので、この近辺は上流域にあたります。遊歩道もちゃんと整備されているので、お散歩やジョギング、サイクリングにもピッタリです。

大堀川水辺公園

大堀川の防災用貯水池に面して設けられている大堀川水辺公園。池に向かって緩やかな斜面となっており、遊歩道と広場、樹木が公園を埋め尽くします。
貯水池は大雨災害時の防災機能を持つ一方で、生態保護の役割を持っており、ほとりには観察デッキが設けられています。

西初石近隣公園(おおたかの森駅南口公園)

南口の遊歩道を抜けると見えてくる西初石近隣公園(おおたかの森駅南口公園)。特に目立った遊具などはなく、広場と高台が印象的な公園となっています。広場が道路から距離があるため、ボール遊びやかけっこが安心してできたりするので、週末になると多くの子どもたちで賑わいます。また都市部ではできる場所が少なくなった凧揚げなどもできそうです。
(※ベビーカーや小さなお子さんもいるので、もちろんボール遊びもかけっこもご注意を!)

発展しても守りたい。地名の由来にもなった森と生態系

市野谷の森

駅から500mほど西に、高層マンションや戸建てが並ぶ一角で鬱蒼と木が生い茂る場所が。
こちらは市野谷の森という自然観察公園で、実はこの森こそが地名・駅名のルーツともなった場所。

この地を含めた流山市内は、宅地開発が進められる前は自然が多く残され、絶滅危惧種である「オオタカ」をはじめとした多くの希少生物が生息する地でした。そのオオタカの姿は今でも見ることができ、その生態系を守る場所として設けられたのが、この市野谷の森です。そんなオオタカが住む森があることから「流山おおたかの森」と名付けられました。

市野谷 水鳥の池

西初石近隣公園の向かいには「市野谷 水鳥の池」なる鳥類保護用の池が。
オオタカの他にもサギやキジ、カワセミなどといった多くの野鳥の姿を見ることができます。

充実した住環境の整備が進められつつも、こうした環境保護も積極的に行っており、人にも自然にも優しい街づくりをしているのがよくわかりました。また筆者自身も考えさせられるきっかけともなり、改めてこの場所に来て知ることができてよかったです。

まとめ

街づくりが活発に進められながら、木々の緑をふんだんに取り入れ、自然との共存を図る街・流山おおたかの森。

地上と高架で交差する東武とつくばエクスプレス両線の条件を活かした駅構内の導線はとても画期的で、現代建築がなし得た意匠を見ることができました。

特に嬉しかったのは、公園の安全性への配慮が行き通っていたこと。筆者は未就学児の子供がいるのですが、自転車の練習をできる公園が近くになく、いつも頭を悩ませており。。。今回見てきた公園は、遊歩道がしっかりと整備されているものが多く見受けられ、これなら自転車も安心して乗せることができると確信しました。また交通量の多い道路と、子供たちが遊べる空間がしっかりと引き離されているのも、愛着を感じることができました。

また何よりも印象深かったのは、人と自然との共存の部分。住みやすさを意識したサービス、導線。何をとっても文句の付け所はないどころか、環境保護への考慮までされて、街に対しての愛を感じます。このような街づくりをされている、流山市と開発に関わった方々に感服いたしました。

これからもこの街に生きる全ての方たちにとって、愛のある街であることを、心より願っております。

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