新三郷駅 ―お買いものが便利すぎる”らら”の街―

新三郷駅 ―お買いものが便利すぎる”らら”の街―

埼玉県
2022.12.11 2022.12.12
SHIN-MISATO

埼玉県の南東端に位置する三郷市。南部は東京都、東部は江戸川を隔てて千葉県と隣り合わせる県境の街ですが、全体を通して住宅地が大半を占めます。その北部に位置するのがJR武蔵野線新三郷駅。2000年代に大規模な再開発によって駅前には大型商業施設が建ち、宅地開発もされたことで、利用者も急激に伸びた変革の街の様子を見てきました。

南北で色が全く違う駅前の様子

新三郷駅改札

対向式の2つのホームの上に建つ橋上駅舎への階段を上ると、改札口は1箇所のシンプルな構造。出口は東口・西口の左右二手に分かれます。

新三郷駅は、それまで街の玄関口として機能していた、お隣の三郷駅に遅れること12年後の1985年に市内第二の駅として開業。当時は上り線・下り線のホームがなんと360mも離れた位置にあり、世界一ホームが離れている駅としてギネス登録もされていましたが、1999年に上り線(府中本町方面)が移動し、現在に至ります。

新三郷駅西口
新三郷駅西口ロータリー
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改札を出て左手側の西口は、バスやタクシーが発着するロータリーが面しており、駅のメインゲートとなっています。2階部分はデッキと繋がっており、ららぽーとと直結しています。

新三郷駅東口
新三郷駅東口ロータリー
新三郷駅東口周辺の様子
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一方の東口は、小さいながらロータリーがあるものの、西口と打って変わり田畑が広がるのどかな雰囲気。その様子は開業当時からほぼ変わっておらず、新三郷駅本来の光景と言えるでしょう。

アクセス抜群!駅前に並ぶ超大型商業施設

ららぽーと新三郷
駅側から見たららぽーと新三郷
ららぽーと新三郷アネックス
スカイガーデン・みどりの広場
駅からのデッキに接続する場所
屋内広場・ロフトの前
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西口を出てデッキの伸びる方向へ進むと、すぐ目の前に見えるのがららぽーと新三郷。イケア(後述)に遅れること1年後の2009年にオープンし、増加傾向にあった乗降客数を一気に上げた街のランドマークと言えるでしょう。数多くのテナントが入る中で、食品館イトーヨーカドーニトリロフトユニクロなどといったお店が大きく目立ちます。またアミューズメント施設として、ラウンドワントーマスタウンといった施設も入り、お買いものもして遊んで過ごせるスポットとなっています。

イケア新三郷 外観
イケア新三郷 ショールーム
イケア新三郷 マーケットホール
イケア新三郷 セルフサービスエリア
ビストロ 注文エリア
ビストロ イートインコーナー
食料品コーナー
新三郷限定と噂される青いソフトクリーム(ミックス)
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駅前の大型商業施設の中では最初の2008年にオープンしたイケア新三郷。店内はイケアならではの導線となっているショールームからの家具〜雑貨〜倉庫〜レジといった導線で、アウトレットコーナー、イートイン、食品コーナーももちろん備えます。イートインのコスパが非常に高すぎて、来るとやはり何か食べてしまします(笑)

ららぽーととイケアが並んでいるという意味では、南船橋駅と共通していますし、武蔵野線で繋がっているということも興味深いです。

コストコホールセール 新三郷倉庫店

埼玉県南東部やその周辺にお住まいの方にとっては、新三郷といえば!と言っても過言ではないスポットとなっているのがコストコ新三郷倉庫店。敷地面積は首都圏の店舗では4番目に広く、駐車場に関しては周辺最大の900台が収容可能。またららぽーととも隣接しているので、併用することも可能な構造となっています。

ひとまずここに来れば終日お買いもの三昧で過ごせることは間違いないでしょう。

ららぽーとの敷地内に佇む2両の客車

夢空間ラウンジカー

駅からららぽーとに向かう際、入口の1階部分におしゃれな塗装をまとった寝台車のような車両が鎮座しています。

夢空間

更に奥のみどりの広場を抜けると、さらにもう一両別の車両も展示されています。

この2つの車両、実は元々1組の編成に一緒に組み込まれた車両で、豪華客車「夢空間」として、かつて上野〜札幌間を結んでいた伝説の寝台特急・北斗星の臨時列車として運行されていました。夢空間の車両は3両存在しており、その中のラウンジカー(入口の赤い車両)とダイニングカー(緑色の車両)がこのららぽーと新三郷に静態保存されています。製造されたのは1989年のバブル期真っ只中ということもあって、コストを度外視したそれはもう贅を尽くした設備が施されていたそうです。

夢空間 ラウンジカー
ラウンジカーの案内板
ラウンジカー車内
ラウンジカーのソファー席
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ダイニングカーは車外展示のみですが、ラウンジカーのほうはなんと中に入ることができ、休憩スペースとして利用することができます。車内はまるで銀座のクラブにでもいるかのようなゴージャスな内装となっており、平成のバブリーをこの令和の時代に体感できる貴重なスポットでもあります。

“らら”の名を冠する、駅周辺の街

武蔵野線通り

新三郷駅の周辺は、冒頭でもお伝えしたとおり東口の長閑さと、西口の大型商業施設群でまるで様相が違いますが、西口側もららぽーとやイケアの南側を通る武蔵野線通りを境に雰囲気が少しづつ変わります。

ららシティ案内板

それもそのはず、駅周辺の再開発は武蔵野線通りとJR武蔵野線の間のエリアで行われ、この一帯は新三郷ららシティと呼ばれ正式な町名ともなっています。その敷地は武蔵野線に沿って南東〜北西の約2.6km、面積は約54ヘクタールにまで及びます。

この地域は元々国鉄の武蔵野操車場という貨物列車のヤードがあり、新三郷駅の開業から間もない1986年に廃止。以降しばらくは敷地だけが残された状態でした。かつて上下線が300mも離れていたのは、実は線路の間に操車場の跡地があったからだったのです。
また余談ですが、操車場自体は当駅付近も含め、吉川駅付近にまで及んでいましたが、そのうちの三郷市域となるのがららシティとなり、吉川市域では2012年新たに吉川美南駅が開業しました。

まとめ

1980年代中盤、貨物列車の操車場跡に突如として現れた郊外の駅。時を経て商業の街へと変貌を遂げ、そのイメージはおろか利用者数にまで影響を及ぼしました。ららぽーとやコストコも開業から10年以上が経ちましたが、その後も衰えること無く周辺商業の象徴として今も栄えています。お買いものには絶対困ることのない新三郷駅、ぜひ一度見て訪れてみてください!

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