鉄道から生まれた、街づくりと文化 大宮駅周辺のみどころ

鉄道から生まれた、街づくりと文化 大宮駅周辺のみどころ

駅のみどころ
2022.07.21 2022.07.21
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埼玉県を代表する都市として、インフラの拠点となっている大宮。商業も然ることながら、交通においては新幹線の全列車が停車。東北や上越・北陸方面へ向かう新幹線、在来線はこの大宮を分岐点とすることから、ターミナル駅としての大きな役割を果たしています。鉄道とともに発展をしてきたこの大宮の街。そのルーツと見どころに迫りたいと思います。

開業時は駅がなかった!? 大宮駅120年の歴史

大宮駅の線路

埼玉県民でなくとも、知名度は全国区と言っても過言ではない、新幹線を含め例外なく全ての列車が停車する大ターミナル駅・大宮駅ですが、この地にはじめて線路が敷かれたのが1883(明治16)年。日本鉄道(現在の高崎線)が開通しましたが、その当時はなんとこの大宮に駅は設置されませんでした。そう、実は大宮駅はあとから設置された駅だったんですね。

鉄道博物館付近を走る高崎線と宇都宮線

大宮駅が開業したのはその2年後。1885(明治18)年で、熊谷まで伸びていた日本鉄道の第2期線(現在の宇都宮線東北本線)として、東北方面への延伸を計画。その際既成路線の分岐点として候補に上がったのが、浦和・大宮・熊谷の3箇所でしたが、最終的には分岐点は大宮とすることが決まり、その際の分岐駅として開業し現在に至ります。

それから120年の間に、線路は伸び続け、路線も増え続けた結果、新幹線までもが停車するまでに発展。地方を結ぶ線路の分岐点となったことで生まれた奇跡。これこそが鉄道の街と言われるようになった所以なのでしょう。

鉄道の街のシンボル 大宮総合車両センター

大宮総合車両センター

120年もの間鉄道の街として君臨し続ける大宮駅ですが、人々だけでなく鉄道を走る車両も集まる街であるのはご存知ですか?
駅の北側は線路に沿って広大な敷地の工場が広がるのですが、それがこのJR東日本大宮総合車両センター。こちらの工場では首都圏や甲信越地方など、JR東日本管内で活躍する鉄道車両の検査や、古くなった車両のリニューアル工事などが行われ、普段見ることのできない鉄道車両などが集まります。
また工場内の様子が見られるスポットや、エントランスには往年の名車が展示してあるなど、鉄道ファンにも人気のスポットとなっています。

大宮総合車両センター

また駅の少し北側にある、線路を東西に跨ぐ陸橋・大栄橋からは工場内の様子が見ることができ、こちらも多くの鉄道ファンが訪れるスポットとなっています。
こちらに写っているのは、2022年に引退したJR相模線の205系電車で、営業列車では存在しなかった「立川行き」を表示を見ることができました!こうしたレアショットが拝めるのも、大宮ならではなのです。

鉄道を見て感じて学べる!鉄道博物館

鉄道博物館

鉄道の街・大宮を語る上で欠かすことのできない目玉スポットいえば、なんと言ってもこの鉄道博物館ではないでしょうか。元々は秋葉原駅近くにある万世橋付近に交通博物館がルーツで、その後継施設としてパワーアップしてオープンしたのが当館となります。JR東日本直系の博物館で、同社にまつわるものはもちろん、旧国鉄時代からのものや、鉄道に関わるあらゆるコンテンツを展示しています。
内容の多くは運転シミュレーターなどの子供向けの体験コーナーで、参加はアプリによる抽選となります。(利用料が別途かかります)

なお鉄道博物館は、大宮駅からは1km以上離れており、最寄り駅はニューシャトル鉄道博物館駅となります。

鉄道博物館

住所:埼玉県さいたま市大宮区大成町3丁目47番
営業時間:10:00~17:00(最終入館16:30)
※入館券は「事前購入制」です。詳しくは公式サイトをご確認ください。

https://www.railway-museum.jp/

鉄道だけにあらず、大宮駅周辺の文化施設

JACK大宮

鉄道の街とはいえど、鉄道コンテンツだけにあらず!文化を体験できる施設はまだまだあります。
西口のニューシャトル駅舎近くに隣接するジャック(JACK)大宮大宮情報文化センター)は、予備校オフィスなどがメインの複合ビルではありますが、3階にプラネタリウム・さいたま市宇宙劇場が入り、宇宙に関する学びはもちろん、青少年向けのイベントなども積極的に行われています。

大宮ソニックシティ

そごうとアルシェの間の大通りを抜け、右側に見えるオフィスビルは大宮ソニックシティ。31階建てのビルと大ホール、ホテルからなる施設で、大ホールではよく有名アーティストのコンサートなども開催されます。

まとめ

本来駅を設置予定がなかった場所が、別の場所を目指す分岐点となったことから、駅の設置だけにとどまらず鉄道の整備工場の設置。乗り入れる路線も着実に増やしていく中で、バブル経済に差し掛かろうとする直前には新幹線の駅になるなど、大宮駅は120年の月日を掛けて着実に発展をしていきました。

そもそも大宮駅の記事は1年前に執筆したものでしたが、今回振り返って見直したときに、もっと駅としての魅力を伝えるためには、その歴史も紐解く必要がありそうだ・・・と思い、改めてそのルーツやみどころを深堀りするべくこの記事を執筆させていただきました。

そこで思ったのは、駅というものはやはり人が集まるからこそのもの。そしてその歴史にも必ず何かしらの意味があるのだということを再認識しました。
私自身もこのえきまえふぁんというサイトを通じて、その駅の素晴らしさ、面白さを伝えていきたいという想いからはじめました。そして、今回この大宮駅を調べることで、改めてこのサイトを続けることの意義、楽しさ、確証を得ることができたのではないかと思います。

これからもそんな駅の魅力を、少しでも多くの方に伝えられるよう、日々努めていく所存ですので、引き続きご愛顧のほど、よろしくお願いします。

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