大阪府東大阪市は、その名の通り大阪の東端にある市で、府内では大阪市、堺市に次ぐ第3位の人口を擁する大阪を代表する都市のひとつとなっています。そんな東大阪市のほぼ中央に位置するのが今回ご紹介する東花園駅です。大阪と奈良を一直線で結ぶ大動脈路線・近鉄奈良線の駅で、急行・快速急行などの優等種別は通過するものの、車両基地が隣接していることから当駅を発着する列車も多数設定されています。そして駅名につけられている「花園」ですが、どこかで聞いたことのあるワードだと思いませんか?関係者の方はもちろん、1980年代前半にヒットしたアノ青春ドラマをご存知の方ならピンと来ることでしょう。今回はそんな東花園駅周辺を巡っていきたいと思います。
ラグビーの町・東花園駅周辺 感想も添えて
2面4線の高架駅ホームの階段を下ると、改札口は1箇所のみ。右手側の北口から見ていきましょう。ロータリーを有し、当駅を発着するバス路線も多数設定。JR学研都市線の四条畷駅や住道駅、近鉄大阪線の河内山本駅へ向かう路線が設定されているようです。目の前には線路と並行する道路が伸びています。またロータリーの前には、ラグビーの格好をしたマスコットキャラクター?の像が。その理由は後ほどご紹介します。
一方の改札出て左手側の南口。北口と対象的にこじんまりとしていますが、その理由は線路と並行するように川が流れているため。駅前で進路を南側へ直角に変える何とも面白い川は恩智川。このまま南へと流れ大和川へとつながるようです。
今回取材したのが平日の早朝だったのですが、駅へと向かう歩行者や自転車がひっきりなしに続いていました。それと同時にバイクがその歩行者や自転車の間を縫うように、川沿いの道や、橋を渡っていく姿が目につきました。見るからにこの道、自動車が通るような道路ではないんですが、バイクが抜け道として使っているような感じがしました。まぁとにかくかなりスピードを出して走っていましたし、筆者自身歩いていてとても怖かったです。一歩間違えば大事故になりかねないので、利用する方はとにかく注意していただければいいなと思いました。(というかこういうのこそ取り締まってくださいよ(怒))
駅の東側には近鉄奈良線の車庫・東花園検車区があります。訪れたのが朝ラッシュ時だったのでほとんどの車両が出払っていましたが、日中本数が減る時間帯はこちらで電車たちがお昼寝をします。普段奈良線を走ることがない近鉄特急・ひのとりやアーバンライナーの車両も当検車区から入出庫することもあります。
数少ないけど、駅近がうれしいお買物スポット
東花園駅周辺に住むなら、ぜひチェックしておきたいお買い物スポット。数は少ないながらもしっかりありますのでご安心を。
駅の改札でてすぐ目の前、高架下にはスーパーマーケットKINSHO。近鉄グループの店舗だからこその立地で利便性は抜群。
南口を出て右手、線路沿いを難波方へ進むと、スーパーマーケット・サンディの店舗があります。関東在住の筆者には馴染みが薄いのですが、サンディは関西を中心に展開するスーパー。ボックスストア(※1)と呼ばれる業態を日本に持ち込んだ第一人者でもあるのだそう。
サンディのある交差点を南側に進むと、右手側にドラッグストア・ココカラファインの店舗があります。ドラッグストアも日用品など幅広く扱う店舗が多いので、非常に役立つのがうれしいと思います。
(※1)=商品を梱包箱のまま店内に配置して売る業態のこと。
若きラガーマンたちが目指す場所 花園
さて、ここまで引っ張ってきましたが、東大阪市はラグビーの町として知られ、ここ東花園はそう。ラグビーを知る人なら知ってて当然!全国高校ラグビー大会の会場として有名な「花園」とは、まさにここのことなのです。
駅の北口を出て右手側に進み、横断歩道を渡ると一本道があります。その道こそ花園へと通ずるラガーロード。道の街灯には花園の歴代優勝校のユニフォームのイラストが描かれた丸型の看板が設置されています。ラグビーを知らない人でもその歴史をたどることができます。
ラガーロードの行き着く先に見えてくるのが、全国の高校生ラガーマンたちが夢見る聖地・花園こと東大阪市花園ラグビー場です。全国高校ラグビー大会の会場の他、JAPAN RUGBY LEAGUE ONEに所属するラグビーチーム・花園近鉄ライナーズのホームグラウンドとしても使用されています。
ラグビー場の周りには、その伝説を象徴するかの如く、さまざまなモニュメントが設置されています。またラグビー場には花園ラグビーミュージアムされており、ラグビーの全てが集約されている、まさに聖地と言うべき地となっています。
生駒山がそびえる街のみどころ
ラガーマンたちの聖地・花園ラグビー場は、花園中央公園のいち施設で、東大阪市を代表する都市公園となっています。
ラグビー場の横もやはり2面のラグビー場が設置。陸上競技場や恩智川の遊水地を兼ねておりその他野球場も設置されています。またラグビーをモチーフとしたラガーステーション花園は、子供たちの目が今にも輝きそうな遊具施設。大きな滑り台が複数設置されているのが印象です。その他お散歩に最適な緑地や遊歩道も完備。地元住民の憩いの場となっているようです。
公園内にはラグビー施設以外に、東大阪市民美術センターが併設。絵画、書道などの展覧会が開かれているそうです。
最後にご紹介するのは、近鉄奈良線と並ぶように流れる恩智川と背後にそびえる生駒山脈。奈良線は隣駅・瓢箪山駅から生駒山脈を駆け上がり、奈良へ向かって走ります。川・山・鉄道が織りなすロケーションはこの東花園ならでは。線路側の土手も遊歩道が整備されているようですが、なぜか進入禁止となっており、まだ整備の必要があるのでしょうか?手前側の土手が前述の通り少し危険が伴うので、なるべく早期の遊歩道開放が望まれます。
まとめ
ラグビーの町・東大阪市が誇る、高校ラグビーの聖地「花園」の最寄り駅・東花園駅。周辺一帯を通して閑静な住宅街ですが、特に南側の人の流れがやはり気になりました。正直、このことは書こうかどうしようか迷いました。しかし駅を紹介する身として、キレイ事だけではなく真実をお伝えしたかったので、非常に残念ですが書かせていただきました。他所者の私がこのようなことを申し上げるのはおこがましいかもしれません。ですが他所者で初めて訪れたからこそ感じることだと思いますし、仮にこの東花園の街が気に入って、住んでみたいと興味を持っていざ訪れたときに、猛スピードでバイクが走ってきたらどう思うでしょう?私自身危険を感じましたし、こんな危険と隣り合わせの道を毎日通ると考えると、とても住みたいとは思えなくなってしまいます。それは街にとってもものすごく残念なことです。
自治体の方、関係者の方々、この記事を読んでいただいて、少しでも心当たりがありましたら、他所者の余計なおせっかいではありますが、一人でも多くの安全を守るために、どうか一分一秒でも早い改善をよろしくお願いいたします。